山尾志桜里氏が増税派であることに残念とか失望というコメントが散見されますけど、期待値が高すぎないですか？
「完全無欠の政治家」なんてこの世に存在しないですよ。
そもそも山尾氏は元検事であり、だからこそ法の専門家としての立場から、憲法改正や皇位継承安定化に取り組んでおられて、「共謀罪」についての追及にも尽力されました。
それで充分じゃないですか。
税制の専門家ではないのだから。
恐らく将来の首相候補として期待されているが故の「残念」感なのでしょうけど、もし首相になることがあるのであれば、きちんと議論に応じて国民が納得できる政権運営をしてくれることを望む、ということでよいではないですか。

安倍政権の悪政にうんざりする気持ちが募り、何もかも山尾氏に「正答」を安易に求めすぎているような気がします。
そういうスタンスは、ある危険をはらんでいます。
仮に山尾政権が誕生したとして――あるいは閣僚就任でもいいですが――何らかの失政に及んでしまった時に、「ああ、山尾志桜里でもダメなのか……」と一気にニヒリズムに陥ってしまう危険性です。
あるいはその反動で、極端な方向に暴走してしまうかも。

山尾氏を支持し、応援するのは大いに結構ですが、脊髄反射ではなくて脳を介すべきだと思います。
自分はどういう理由で山尾氏を支持するのか？
よしりん先生が認めているから？ それだけ？
誠実で論理的な語り口とか、議論を重視するスタンスとか、色々あると思います。
そこを考えずに、山尾氏を「理想像」と見做してしまうのは、愚かな大衆へと堕落してしまうことに繋がるのではないでしょうか。