希蝶 のコメント

 今回のテーマからまたまた外れるのですが、
 実はこの1週間、「バットマン・ビギンズ」・「ダークナイト」をレンタルして見ていました。
 ライジングでも話題になった「ジョーカー」とどう違うのかに、興味があったからです。

 新シリーズの方の「バットマン」は、少し私の好みには合いませんでした。「ビギンズ」の方はこれぞテロとの戦い、みたいに見ることができましたが、前半の囚人となったブルース・ウェインの姿には仰天。しかし、それも新解釈とも見られるので、なかなか楽しめました(バットモービルがナイト2000のようにも見えましたが(笑))。
 しかし、「ダークナイト」に関して言えば、これは題名だけではバットマン映画だと分からないのでは、ということと、やはりティム・バートン版とも比べてしまいました。同じ暗さ、力で力を制する暴力性を持っていながらも、向こうはアクションもの、エンターテイメントとして完成されている観がありましたが、こちらは非常に現実的で、新任検事役の演技が興味深かったと同時に、恐ろしさを感じさせられました(むしろ、ジョーカーよりもこちらの方が楽しめた。いっそ、こちらのスピンオフをやって欲しかった)。ジョーカー役の熱演も目を見張らされましたし、その殺人哲学も凄まじいもので、船の場面も感動的でしたが、この話の根幹にあるものは、(先日スピリッツの「ジャガーン」でも同じネタをやっていましたが)トロッコが暴走した場合、切り替え機をどちらに切るか、という「HUNTER×HUNTER」などでも語られた古くからの、どちらにしてもトラウマの残る究極の選択であり、両方を救うことは不可能なのか、という命題なのだと思います。しかし、こういうトラウマの残る話は、日本人好みではないのでしょうか。
 私は、ジャック・ニコルソンのジョーカーの方に軍配をあげます。ジョーカーは残酷であるとともに、そこにはブラック・ユーモアもあるキャラクターで、狂人心理は「ダークナイト」の方も「ジョーカー」の方も扱ってはいますが、ユーモアが足りないような気がします。上記のような性格の映画なので、「ダークナイト」にあまりユーモアを持ち込めなかったのでしょうが。ただし、「ダークナイト」もそれなりにかなり楽しめました。最後のバットマンの扱いが、少しかわウソすぎましたが。中盤のブルース・ウェインについても。
 いずれにしても、「ジョーカー」から「ダークナイト」につづくのは、かなり無理があるでしょう。同じ社会派作風なので、比べられても仕方がないです。ただ、「ジョーカー」と「ビギンズ」のトーマス・ウェイン像の差が面白く感じられたのも事実でした。

 以上、思ったことを書いてみました。今回の話題から外れてしまい、すみませんでした。
 流行語・出来事大賞の方も、近いうちに投稿します。

No.168 60ヶ月前

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