「日本民族」というのは、「一つの方面」、ある一つの方面から見た大自然のことです。
目は大体こうならこうしか見らりゃしませんね。こう考えたら別のものですね。

どういう角度かというと、自分は自分という名の自分、他人（ひと）は他人という名の自分、それから自然は自然という名の自分。皆自分。
その時、大自然を日本民族という。
で、日本民族わかりましたね。この方面から見て、そして住んでたら、自覚している日本民族の一人です。
しかしそうでなかったら無自覚な日本民族の一人。
あるいは日本に住んでたって、国籍なんてあったって、日本民族じゃないものもあるでしょうし、稀にはその反対もあるでしょう。

ところでね、日本民族は、本当に日本民族の一人なら、例え無意識的であるにしろ、
自分と他人との関係は、つまり自分も他人も自然も同じでしょう、いささかも閉鎖的なところがないでしょう。
だからあくまでも「開放的」。

この反対が「閉鎖的」ですね。閉鎖的っていうのは、ありもしない殻をを作ってその中に閉じこもってる。
中国人、中国人は個人主義です。中国の個人主義は、そうですね、やはり郵便の宛先、対話の個人というものを自分と思ってます。
思ってしまってはいないにしろ、そう思ってる。そして非常に悪いことに現世的です。現世的。これが中国の個人主義という閉鎖主義の特徴ですね。

仏教も個人主義です。個人主義に基づいて読まなければ、仏教何書いてるのかわかりゃしません。
あの個人主義、やはり個人というものを自分と思ってる。そう思うのは間違いだとは言ってますが、普通他人はそう思うと思ってる。
そして悪いことに、現世主義ではないんだけど逃避的です。
武士道も真情たる大和魂を欠くと個人主義です。

じゃあ、それよりもっとひどいヨーロッパのは、本当に個人主義を自分だと思ってる。
物質主義から個人主義、個人主義から利己主義に移行してる。
五感でわからないものはないと思ってますからね。
せいぜい個人とそれから意識で見ることのできる心、これは大脳前頭葉の心が大体そうです、それだけを自分と思ってる。
まぁ、はっきり言やぁ個人を自分と思ってる。