M.O のコメント

ホルムズ海峡で日本の民間船舶が何者かに攻撃を受けるという事件が発生しました。
安保法制国会で、あれだけ「ホルムズ海峡で自衛隊の命が危険にさらされることはない」と強弁していたのに、何と民間人が被害に遭ってしまいました。
これは「我が国の存立危機事態」というやつではないのでしょうか?
アメリカは「イランの犯行」と断定した声明を発表しています。
ならば、日本は安保法制を適用して、アメリカと一緒にイランに反撃をしなければならないのではないでしょうか?
それをしないのであれば、「存立危機事態」ではないということ、そしてイランの犯行とは断定できないということを、日本が公の場で表明しなければならないのでは?

朝の情報番組を見ていた限りでは、左翼コメンテーターが「安倍首相のイラン訪問に泥を塗るかたちになった」と発言するのが精一杯でした。
その裏書きのつもりなのか、安倍晋三がハメネイ師との会談後に
「ハメネイ師からは、「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図はない。すべきではない」との発言があった」
という発言部分を繰り返し流していました。
まるで、日本イラン首脳会談は成功裡に終わったが、直後にこのような事件が発生し、中東地域の安定を図るのは非常に難しい、という解釈で押し通そうとしているかのように。

もし、犯行がイランもしくは中東地域の武装勢力によるものなのだとしたら、この事件を誘発したのは、それこそ安倍晋三のイラン訪問ではないか、と私は想像します。
以前に小林先生が『ライジング』で書かれていたことで知りましたが、中東には親日国家が多く、日本はテロの対象にはなっていなかったとのこと。
ところが、イランを訪問した安倍晋三は、明らかに「アメリカの手先」にしか見えませんでした。
日本はイランと良好な関係にあるのに、わざわざ大統領と国家元首に「アメリカと仲良くしろ」などと余計なお世話を言ってくるのですから、反米感情が強い人間からすると、日本に敵意を感じるようになってしまったとしてもおかしくありません。

そもそもマスコミは今回の首脳会談の報道において、実は微妙な問題をはらんでいる部分をクローズアップしていません。
新聞に掲載されている首脳会談や声明の要旨を読むと、よく分かります。
ロウハニ師は「我々は戦争を追求しない。アメリカとの戦争も追求しない」と言った後で「しかし、もしイランに対する戦争があれば厳しい答えを出す」と言っていますし、「地域の緊張は、イランに対するアメリカの経済戦争が原因だ」と明言しています。
ハメネイ師は「(イラン)イスラム共和国はアメリカを信頼していない」「自由で賢明な国は圧力をかけられた状況で交渉には応じない」「核兵器には反対するし、宗教令で核兵器製造は禁止されている。しかし、我々に核兵器を作る意思があっても、アメリカは何もできないだろう。どの国が核兵器を保有すべきだとか、保有すべきではないとか言う資格は(アメリカには)ない」と言っています。
これらを受けたかたちで、安倍晋三は「誰も戦争を望んでいない」「ハメネイ師からは、「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図はない。すべきではない」との発言があった」と、いい感じにざっくりと発言。
また「日本はイラン核合意を一貫して支持」とも言っていましたが、そうなると日本はイランとアメリカの間で双方にいい顔をするコウモリか? と思われても仕方がありません。
一歩踏み込んで、どうせアメリカに何も言わないくせに、外交成果欲しさだけでイランに来るんじゃあねえよ! と反感を持たれたかもしれません。

以上は素人の想像ですが、マスコミはここまで踏み込んだ視点で報道してほしいと思います。

No.356 67ヶ月前

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