配信お疲れ様です。外気温が上がれど、寒々しい世の中になりました。

「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である。」
作家のギルバートという人の言葉ですが、自らを孤独の虜囚とし、脱獄と同時に他者を巻き込んで自死するような人間は、まさにこの通りなのでしょう。かのブラウン神父が述べた「魂の病」とは、「自分をまったく健康だと思うこと」だそうです。くだんの男にしても、自分はひきこもりなどではない、健康だという信憑が、精神の不健康を指摘したであろう叔母の手紙により崩壊してしまった結果に罪を犯したのだとしたら、やりきれないことです。理性以外のあらゆるものを失った人間が、その理性すらも信じられなくなったなら、それはもうおしまいです。愚かな囚人にとって、その理性の証明とは、自身が整然と罪を犯し、かつ死んでみせることだった、とするのは穿ち過ぎというものでしょうか。

こんなことを書いてもまったく救いがない。どこにも救いがない憶測を書き連ねることに果たして意味があるのか。小人の身では分からぬことばかりです。