M.O のコメント

ブログの方で、竹内久美子のトンデモ論を受けて、Y染色体の生物学的な見解が紹介されていましたが、全くもって同感です。
と申しますか、「YよりもXが重要」「Yは両性生殖を可能にするためにつくり出されたもの」という学説は、『新天皇論』で紹介されていて、私はそこで初めて知りました。
そしてその学説の根拠として、福岡伸一氏の『できそこないの男たち』(光文社新書)という本が紹介されていたので、私はすぐに同書を読みました。
なかなか衝撃的――というか、男性にとってはショッキングな内容でした。
読めば読むほど、男が女に勝っているのは「力の強さ」ぐらいしかないんじゃあないか、という気になってきました。
詳細は実際に同書を読んでいただきたいのですが、要点だけをピックアップすると、生物の基本はX染色体であり、Y染色体は遺伝情報を運搬するメッセンジャーでしかなく、この考えは現在の学界では定説になっているとのことでした。
考えてみれば、女性はXX、男性はXYで、YYという構成が存在しないという点だけ見ても、Y染色体をことさら特別に尊重するというのは全く不可解で、それを「伝統」と称するのは極めて野蛮に感じます。
そもそも、竹内久美子は進化論や利己的遺伝子論を研究していた学者で、たとえ今は研究家という肩書きであるとはいえ、雌雄の染色体に関する定説を知らなかったのでしょうか?
一般のYと皇室に伝わるYは別、などと言い訳するのかもしれませんが、堂々と恥を晒しているんですよね。
笹さんが竹内久美子の文庫解説を書いたことがあった、というのは初めて知りましたが、あの頃はイデオロギーにまだハマっておらず、シニカルでユーモラスなコラムニストだったのだろうと思います。
でも、年月が経ち――他のエセ保守にも言えることですが――老いて劣化するということはあるのだなあ、と感じます。
気をつけなければいけませんね。

No.92 60ヶ月前

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