tasuu のコメント

 準強姦で不法行為が成立するためには、Y氏の側に、「伊藤さんが泥酔して抗拒不能の状況になっていたこと」の認識があったことを、伊藤さん側が立証する必要があります。
 HANADAでの手記では、Y氏が、「伊藤さんが泥酔して抗拒不能の状況になっていたことを認識していた」と認めてしまっていますので、裁判ではこの点を何とか否定しようとして、伊藤さんの飲酒量は不明等と主張を変えています。
 具体的には、『「トイレから出てくると「少し飲みすぎてしまいましたが、もう大丈夫です」と言った』→そのため、Y氏には伊藤さんが泥酔しているという認識がなかった。
 『再び手酌で日本酒を飲み始めた。』→Y氏は注いでいないので、伊藤さんの飲酒量は不明。
 『この時、店内に有名人がいて盛り上がっており、自分はそちらに意識を向けていた。その間、伊藤氏は手酌で日本酒を飲み続けていたが、飲酒量は不明。』→普通の常識で言えば、二人で飲みに行っているので、相手のだいたいの飲酒量は認識出来ます。しかし、有名人がいたので、注意がそちらに向かっており、伊藤さんの飲酒量は不明だった、と主張したいのです。
 このように、Y氏の主張を変遷は支離滅裂やいい加減な記憶という訳ではなく、「Y氏は伊藤さんの飲酒量や泥酔している状況を認識出来ていたか否か不明」→「そのため、Y氏に、伊藤さんが抗拒不能の状況にあったか否か」について伊藤さん側が立証出来ていない(伊藤さん側が証明責任を果たせていない)」→「Y氏に不法行為責任は成立しない」という認定を狙ったものだと思います。
 その意味では、Y氏の主張の変遷は完全に合理的なものです。
 

No.28 60ヶ月前

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