M.O のコメント

笹さんがブログで有本香氏に対し「自分に負けたんですね」と言い放っておられましたが、実に辛辣かつ適確な表現だと感じました。
自身が抱いていた問題意識を保ち、知識人としてどうすれば公平な社会を実現できるのかを模索し続けるのは、非常に労力の要ることだろうと思います。
私は有本氏のかつての言論を知らないし、当時の論壇の環境(主に男尊女卑問題における)についても知りません。
なので、無理解な男どもからチープな難癖をつけられていたこともあったのかもしれない、と想像はするわけですが、でもそこで考えるのをやめ、戦うこともやめて、アナクロ集団に取り込まれるという安易な道を選んだ時点で、自分に負けてしまっているのですよね。
これは、若い頃はプロ野球選手になる夢を持っていたけど、夢破れて今は草野球で満足している、というようなプライベートな事情とは全く違います(例えが妥当か自信ないですが)。
「公」の場で言論を発表してきた言論人であれば、公的な視点からブレることなく闘い続けなければならない。
小林先生が展開してきた幾多の闘いで、敗色濃厚であっても信念を貫いてこられた姿勢を見て、何も感じておられなかったのでしょうか。
もし有本氏が小林先生の立場であれば(これも例えが妥当か自信ないです)、HIV訴訟では日常に回帰しな「運動」を容認したかもしれないし、「新しい教科書をつくる会」の従米ポチ保守と足並みをそろえていたかもしれない。
「個」がないんです、有本香には!
ドロドロに溶けて、集団に取り込まれる心地よさの方を平気で選んでしまうぐらい、信念がないのでしょう。
本気で言論をやってる人間は、「心地よさ」なんか追求しない!
「公」に向かって言論を発する以上、相応の責任を感じて当然なのだから、そこに「心地よさ」なんて存在しないはず。
私はアマチュアながらに月2~3回程度しか更新しないブログをやってますが、そんな立場でも「公」からブレないように、自問自答と試行錯誤を繰り返しながら文章を発表しています(だから更新ペースが遅い)。
承認欲求のためにブログをやっているのではないから、そこに「心地よさ」なんてないし、もし真っ当な公的な視点からの反論で袋だたきにあえば、「痛くもかゆくもない」なんて言ってられません。
アマチュアでもそれぐらい考えて文章を発表し、批判されればその内容をしっかりと読み解くのに、有本氏にはそういう真剣味が一切ありません。
「今、自分は男系派に認められてる」という一点のみが、自分のアイデンティティになっているんでしょうね。
そういえば、今シーズンのドラマ『緊急取調室』の第一話で、浅野温子演じる警視庁初の女性参事官が登場していましたが、「男社会で参事官にまでのし上がった」という一点のみがアイデンティティになっている、というすさまじいまでの権威主義者でした。
その登場人物に通じるところがあると感じました。

No.197 60ヶ月前

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