希蝶 のコメント

今号の合併号SPA!について

感想のようなものは、上記までで述べてしまったように思えますが、ハプスブルクの例をまたまたあげることにします。下らない話ですが、いちおう説明します。

オーストリアの大公兼ボヘミア・ハンガリー女王であったマリア・テレジアと神聖ローマ皇帝フランツ1世の息子にあたる後継皇帝は、ヨ-ゼフ2世ですが、そのあとをついだレオポルド2世の治政はわずか2年で終わっており、このことは現天皇陛下のあとを秋篠宮殿下が継いだ場合の参考になるかと思われます。ヨ-ゼフ2世の場合も、女子しか居らず、この場合は早世しているので、後継者が弟しかいなかったわけです。
さらにそのあとをついだレオポルドの皇子のフランツ2世が悠仁様の立場になろうと思われます。こちらはたまたま運良く息子・皇女がたくさん産まれ(その中にナポレオンの後室になったマリア・ルイーズがいます)、ハプスブルク帝国が存続できたわけですが、これと同じ奇蹟が日本の皇室の場合にも成立すると、男系派は想像しているわけなのでしょうか。むしろ他山の石とすべきは、レオポルドの治政の方だろうと思います。

それ以前にヨ-ゼフ、レポポルトの親であるフランツやマリア・テレジアが息子や(マリー・アントワネットなどを含む)娘を「多産」したこと自体、かなりのプレッシャーやストレスがあったことと想像されます。テレジアの妹も、ヨ-ゼフの兄弟と結婚しており、この場合は子供を残せていないので、テレジアに寄せられた国民の期待はかなりのものだったことでしょう。
そんな中で、オーストリア継承戦争や七年戦争を戦い抜き、宰相カウニッツと協力して国政改革を実施したマリア・テレジアの生涯はまさに壮絶なものであり、艱難の日々であったことが伺われます。決して、竹田恒泰が朝生で取り出した、怪しげな出生率の紙のようには進行しなかったろうと思われます。

以上、日本の天皇家の例とはあまり関係ない話でしたが、おかれている情況は、ある程度似通っていると私は理解します。秋篠宮は現天皇の後継者になるにしても年齢が近いため、自ら太子である立場を避けられたのだから、そのことを尊重し、天皇陛下の嫡子である愛子内親王殿下が皇太子になる道を探るのが、保守としてとるべき最良の道なのではないでしょうか。赤ん坊のうちに両親から引き離して誘拐するなんて非人道なことを考案するよりも、餘程現実性がある話のような気がします。

という当たり前のようなことを、なぜ今もって主張しつづけなければいけないのか、皇室のことは宮内庁の意向通りに進行できないのか、なぜ政府や日本会議だかの第三者の思惑が絡んだり、識者と称する男系派の学者の一方的な定見が横行したりするのか、よく分かりません。かりに私たちの家庭で男子だ、女子だなどという争いが起こり、それにその家の伝統を知っているとする他者が首を突っ込んだとしたら、「餘計なお世話だ」で済まされてしまうのではありますまいか。

一刻もはやく、この問題が上皇陛下や天皇陛下の意向通りに解決することを願います。

No.177 68ヶ月前

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