M.O のコメント

今週も配信ありがとうございます。
木蘭先生の「わたくしのひとたち」、どこまでがフィクションなのだろう、と考えつつ、自らもミクシィでこじらせていた身であったことを思い出して、「いたたたっ」と感じながら読ませていただきました。
ただ、私の場合はプライベートな日記ではなく、同じ趣味の人間同士などが集まって交流する「コミュニティ」が発端でした。
ミステリ、アニメ、テレビ番組、ゲームなど、なかなか日常的にそれらについて語ることの出来る相手などいない中で、自分と同じ好みを持つ人間を「発見」し、地理的制限を越えて意見交換できる状況に「歓喜」した時、私のみならず多くのミクシィユーザーは「興奮」状態に陥ったのだと思います。
「興奮」から「冷静」に戻ることが出来ないと、人間の価値判断は大きく歪みますよね。
しかも、当時としては珍しかったSNSというサービス形態は、2ちゃんねるとは一線を画した、大人のマナーが守られる場というイメージがあったので(当初は招待制であったことも関係あるでしょうね)、「これぞ、次世代のコミュニケーションツールだ!」と信じて疑いませんでした。
実際には、荒らしはたびたび出没していたのですが、「ここは2ちゃんねるとは違うんだ!」と思い込もうとしていました。
ただ、ネットという媒体は、紙媒体に対してアンダーグラウンド的である、という感覚はまだ存在していて、それは転じて「オレたちだけの場」で「分かる人間同士で交流する」という、どこか倒錯した「高揚感」も感じられました。

それでも最初のうちは、まだ正気を保っていられたのですが、当然ながら数々のノイジーな投稿(荒らしにまでは到らないもの)を目にするようになります。
「マイミク」のおかしな日記やつぶやき(途中から追加された機能)も、毎日のように読んでしまいます。
でも、「コミュニティ」から脱退したくないし、「マイミク」との関係性も出来上がっているので、簡単には退会できない状況にまで症状が進行してしまっています。
そして、Yahoo!ニュースのように、ニュースのポータルサイトのような機能が追加されると、一気にネトウヨ化が深刻になりました。
それまで、ネトウヨや極左のコメントって、見たことがなかったんですよね。
2ちゃんねるには見切りを付けていたので。
でも、ミクシィというものを信用してしまっていたので、「ここで見られるコメントは、世間の声を顕著に表しているのに違いない」と思い込んでしまいました。
ニュースは、ミクシィか引用元のYahoo!ニュースぐらいしか読まなくなりました。
偏ったコメントばかり目にするようになりました。
元より、小林先生の『戦争論』を理解出来ていなかった私は、「国粋主義」が煽られて立派なネトウヨになりました。
ちなみに、以前にも少し書きましたが、ネトウヨ脱却のきっかけは、『民主主義という病い』『孤独を貫け』を読んでからの『戦争論』再読でした。

私自身の体験を振り返ると、ミクシィに限らず、SNSは「そのサービスの主体を盲信してしまう」「その場に居ることが生活の目的になってしまう」という点が大きな問題なのかなと感じます。
おかしいと感じたら、自分の頭で考えていつでもその場を離れられる、という「個」を確立した気構えでないと、SNSに呑み込まれてドロドロに融解してしまうのでしょうね(それは『ライジング』も『ゴー宣道場』も同じ)。
現在はFacebookだけを利用していますが、やめ時を睨んでいます。
知人が極左にオルグされそうな状況なので、引き戻すべく監視するという目的で続けています。
ああ、これはもうどうしようもないな、本人の問題だな、と思ったらさっさとやめます。

No.57 71ヶ月前

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