M.O のコメント

『ライジング』配信ありがとうございます。
「信者」という表現、恐らくオウムや統一教会といった新興宗教の問題が明るみになり始めた頃から、ネガティブな単語として用いられるようになったのかなと思います。
よしりん先生はオウム信者について、自分の脳を教祖に預けてしまうような愚を犯したのだ、と批判されていたと思いますが、「信者」という言葉にはそういうイメージが強いですね。
古くから存在する宗教については、「キリスト教徒」「仏教徒」という表現が用いられることが多く、こちらは「教えは守るけど、自分の脳(あるいは「個」)は預けない」という区別でしょうかね。

で、「信者」がネガティブワードになった後、ネットが普及してからは、それが他者を誹謗する定番フレーズの一つになったと思います。
思いつくのが、「アップル信者」「ソニー信者」「任天堂信者(略して「妊娠」)」「立川流信者」「FF(ファイナルファンタジー)信者」「エヴァ(エヴァンゲリオン)信者」といったところ。
何となく、「オレはどれだけ売れている製品でも、簡単に手を出さないぜ」という強がり、「世間でこれだけヒットしているモノを、オレは簡単に否定してやるぜ」というカッコつけ、「お前、本寸分からズレてるだけでカッコイイと思ってるんじゃあねえだろうな」という権威主義みたいな感情が、透けて見えます。
ファンはあくまで自分の好みで、商品を買ったり劇場に足を運んだりしているだけのはずですが、ここでも「信者」という表現はパワーを持っているんですね。
「信者ではない。単に好きなモノにカネを出してるだけだ」と落ち着いてコメントを返していた例は、私は見たことがありませんでした。
ひょっとしたら、「信者」という言葉に宿る言霊の力が相当に強烈なのかもしれません。
逆に言えば、誰かを叩きたい側にしてみれば、ムチャクチャ便利な言葉なのでしょうね。
そして、「自分は何者の影響下にもない」という、強い「個」を持ってるアピールをして、「こんなモノにハマるなんて馬鹿らしい」という、ある種のニヒリズムに浸っているのかなと思います。
でも、社会における横のつながりが希薄な「個」なんて、存在しませんものね。

「小林よしのり」に関しては、その論理に納得できるから、と答えればいいし、「アップル」やら「ソニー」やらに関しては、ブランドイメージに惹かれるから、とか、感性が優れていると思うから、という答えで良いのでしょう。
本来、他人からとやかく言われることではないはずなんですが、ネットの普及によって、「ネット主流派」に叩かれたくない、叩かれて訳分からなくなった、という状態に陥ってしまうのでしょうか。
だとしたら、ネットの過度な使用は、「個」を失わせるものなのかもしれませんね。

No.93 73ヶ月前

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