しんちゃん のコメント

ブログに「かかりつけ医制度の陰謀」的な書き込みが続いてたんで(悪意はないですよ!笑)、一応当事者として発言しておきます。

僕は専門は泌尿器科ですが、今は訪問診療をメインにしているので、「プライマリケア」の認定医、指導医も取得しています。…だからと言って欧米化を推進してる訳ではないですよ!!(笑)

完全に「町医者」となったので手術からは遠ざかってます。

よしりん先生、もくれん先生の懸念はよく分かります。実際国は膨れ上がった医療費を少しでも抑えたい、それをする為には何か理由が欲しいと重箱の隅をつつき続けてます。

何か理由が(それが将来的に妥当かどうかは別として)見つかれば、2年ごとの診療報酬改定で削減できそうな診療報酬をバシバシ削ってきます。在宅医療も、一部悪徳運営を行っている輩のせいで5年ほど前に従来の診療報酬を1/3以下にされて、専門にしていたクリニックや医院が閉院に追い込まれたりしてました。在宅医療を推進しているようで、儲かってるところが目立つとハシゴを外す、よくある手口です(苦笑)

実際、プライマリケアと称して欧米のシステムを導入したいという思惑があるのかもしれませんが、現在の日本のプライマリケア医(総合診療医)は、国民が広く認知している、いわゆる町医者です。外来が開いていたらいつでも受診できますし、必要があれば専門医や、細かい精査のできる病院に紹介したりします。

僕はこの「町医者」は必要と考えています。ここで「ただの風邪」なのか、「ヤバい病気」なのかを判断して、大病院に軽症者が行って本当に治療な重症者に差し障りが出ることを防ぎ、逆に軽く考えて来た人が実は重症で、ちゃんと治療しないと行けない人を大病院に紹介する言わば「仕分け」「トリアージ」の役割を担う訳です。

ここが無いと適切な人に適切な医療行為が受けられなくなります。

また、医療制度と両輪で、やはり一般の人にも「医療制度を維持するために守らないといけないルール」を身に付けていかないと行けないと思います。救急車の使い方とか、軽症者はまず近医受診するとか、迷う時は駆け込む前に電話で症状伝えてからとか、置き薬の活用とか、色々予防できることもあると思うんですよ。「だけど心配じゃん」「とりあえず行ったら何とかなるだろ」は、何でも許容するのは良くないかと。

現在の医療制度の維持は、例え医者が男性限定の職業だとしても(笑)、なかなか難しくなってきてます。

あとは国民が、国がどこまでの医療費を「許容」できるかですね。みんなで助け合う制度なので「お互い様」という意識が薄れるような行為、例えば過剰な延命治療のコストだとか、医療費全額が公費負担の生活保護者が過剰に薬の処方を求めるとか、そういったことが続くとやはり制度自体の維持に異議が出ても仕方なくなってくるかもしれません。僕は医療費の上限のガイドラインは何かしら必要と考えています。

例えが悪いですが、公衆便所に例えると、使い方が良くないのに汚くなった便所を「誰かキレイにしろよ!」「掃除屋は何してるんだ!」と言ってるだけでは解決しないので、キレイに使うマナーを身に付けましょう、その代わり公衆便所を有料化するのはやめましょう、…みたいな感じですかね(笑)

例えが微妙ならすいません、謝罪しときます。

No.97 76ヶ月前

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