Niels@CPH のコメント

時浦さんの「コンテンツか、作品か。」について。

本居宣長の言葉に、
「姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ」
というのがあるそうです。

これを著書に引用した小林秀雄によれば、
「当時の学者は、大義という事をしきりに言った」。

宣長は、その世の学者たちに第一と思われている大義(意)なんぞは、いくらでも口真似ができるもので、たいして価値あるものではないと。
言葉(姿)にこそ、唯一無二の価値があると。

彼は、万葉集や古事記をコンテンツとしてではなく、作品として読んだ、ということなのでしょう。

現代でも、保守だのリベラルだのの大義は、世の識者たちに、易く口真似されているようです。

思想というものも、作品のように、生身の人間の唯一無二の、生きた考えとして扱わなければ、たちまちただの口真似に、思想という名の思考停止に堕してしまう。これは誰にでもあり得ることだと思います。本居宣長のような偉人でなければ。

それほど「意ハ似セ易シ」だと。

No.92 76ヶ月前

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