サッカー日本代表の「パス回し」が「卑怯」というのは、恐らく今回の状況を詳しくご存じない方のコメントだろうと思います。 まず「ドーハの悲劇」の記憶が色濃いファンは、とにかく決勝トーナメント進出を確定させるためには泥臭いことも厭わない、という考えは納得するはずです。 当事者であるキングカズが、前回のW杯でグループリーグ敗退した日本代表から「自分たちの戦いができなかった」というコメントが聞こえてきた時に、「自分たちの戦いとか、そういうことではない。グループリーグは勝ち点を獲りに行く場所」と一刀両断していたのが印象的でした。 また、パス回しを続ければ確実に決勝トーナメントに進出できていたのかといえばそうではなく、裏でセネガルがコロンビアに同点に追いついてしまえば全てが水泡に帰す、というリスクを抱えていました。 もちろん、積極的に攻撃して、さらに失点を重ねてしまっても同様です。 つまり、「攻めるも退くもリスクあり」の状態でした。 その中で西野監督がとった戦略は「勇気ある撤退」だと私は思います。 サッカーはアメフトやラグビー同様、戦略性の高いスポーツであり、選手同士がぶつかり合うといっても格闘技ではないので、柔道や相撲とも全く性格が異なります。 サッカーにおける「卑怯」というのは、イエローカードをもらうのも厭わない、ダーティな試合運びではないかと思います。
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小林よしのりチャンネル
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サッカー日本代表の「パス回し」が「卑怯」というのは、恐らく今回の状況を詳しくご存じない方のコメントだろうと思います。
まず「ドーハの悲劇」の記憶が色濃いファンは、とにかく決勝トーナメント進出を確定させるためには泥臭いことも厭わない、という考えは納得するはずです。
当事者であるキングカズが、前回のW杯でグループリーグ敗退した日本代表から「自分たちの戦いができなかった」というコメントが聞こえてきた時に、「自分たちの戦いとか、そういうことではない。グループリーグは勝ち点を獲りに行く場所」と一刀両断していたのが印象的でした。
また、パス回しを続ければ確実に決勝トーナメントに進出できていたのかといえばそうではなく、裏でセネガルがコロンビアに同点に追いついてしまえば全てが水泡に帰す、というリスクを抱えていました。
もちろん、積極的に攻撃して、さらに失点を重ねてしまっても同様です。
つまり、「攻めるも退くもリスクあり」の状態でした。
その中で西野監督がとった戦略は「勇気ある撤退」だと私は思います。
サッカーはアメフトやラグビー同様、戦略性の高いスポーツであり、選手同士がぶつかり合うといっても格闘技ではないので、柔道や相撲とも全く性格が異なります。
サッカーにおける「卑怯」というのは、イエローカードをもらうのも厭わない、ダーティな試合運びではないかと思います。