禁煙や嫌煙の話題になると、いつも筒井康隆氏の「最後の喫煙者」を思い出します。嫌煙ファシズムを皮肉った名作ですね。被害者の暴力というのは恐ろしい。民族や宗教紛争の拡大だって結局はこれでしょう。やられた側が過剰にやり返して、その連鎖が止まらなくなる。応報感情を正義のオブラートで包んだとき、人は一番残酷になる。それで世の中良くなるわけがないので、私も反対です。 とはいえ、人間は復讐劇が大好きですね。最近も、テレビで「モンテクリスト伯」のドラマがやっていましたが、非常に面白かった。必殺仕事人シリーズは未だに継続していますし、二時間ドラマは大抵復讐がテーマです。倍返しだ、というのが流行したこともありました。復讐を愉しむという感情は、きっと誰にでもあるのだと思います。それはいいとか悪いとかとは別次元なのでしょうが、少なくとも全面的に肯定して賞賛されるほどご立派なものではない、そう思います。応報感情をただ頭から否定しても、それは消えない。我慢でなく、昇華が必要なのでしょうね。
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小林よしのりチャンネル
(ID:19522841)
禁煙や嫌煙の話題になると、いつも筒井康隆氏の「最後の喫煙者」を思い出します。嫌煙ファシズムを皮肉った名作ですね。被害者の暴力というのは恐ろしい。民族や宗教紛争の拡大だって結局はこれでしょう。やられた側が過剰にやり返して、その連鎖が止まらなくなる。応報感情を正義のオブラートで包んだとき、人は一番残酷になる。それで世の中良くなるわけがないので、私も反対です。
とはいえ、人間は復讐劇が大好きですね。最近も、テレビで「モンテクリスト伯」のドラマがやっていましたが、非常に面白かった。必殺仕事人シリーズは未だに継続していますし、二時間ドラマは大抵復讐がテーマです。倍返しだ、というのが流行したこともありました。復讐を愉しむという感情は、きっと誰にでもあるのだと思います。それはいいとか悪いとかとは別次元なのでしょうが、少なくとも全面的に肯定して賞賛されるほどご立派なものではない、そう思います。応報感情をただ頭から否定しても、それは消えない。我慢でなく、昇華が必要なのでしょうね。