M.O のコメント

男尊女卑関連で、もう一件。
土俵の「女人禁制」で、土俵上でのスピーチを断られた宝塚の中川市長が、大相撲協会に「女人禁制」を見直してほしい、と要望書を提出したそうです。
中川市長は会見で、
「セレモニーでは、女性も土俵に上がらせてほしい」
とおっしゃっておられて、これは理にかなった発言だと思います。
スピーチ当日にも、
「私は別に、土俵上で相撲をとらせてほしい、と言っているわけではないんですよ」
と強調。
私も全く同意見です。

「保守」を標榜するアナクロニストは、「女人禁制」は伝統、と言って聞く耳を持ちませんが、そこまで強固にその伝統とやらを貫きたいのであれば、セレモニーや行事を全て廃止してしまえばよいのです。
自治体の首長や国の首相や文科相らが土俵に上がるということ自体を、やめなければなりません。
ちびっ子相撲という行事も、やめてしまってよいでしょう。
何故ならば、「男女平等」という概念を含む「世俗」を入り込ませるからこそ、齟齬が生じるのであり、あくまで「女人禁制」を「神聖」と崇め奉るのであれば、宗教行事として「世俗」そのものを排しなければ一貫性がありません。

新聞の投稿欄には、沖ノ島や一部の神社はいまだに「女人禁制」であるのだから、伝統の改変には慎重であるべき、といった意見が見受けられましたが、あれらは神道としての宗教的価値を尊重しているからでしょう。
それに倣うのであれば、相撲は「庶民の娯楽」であることを捨て去らねばなりません。
テレビ中継もやめ、四隅の柱も復活させて、誰彼とも知らない間に、粛々と年二場所だけ執り行えばよいのです。
「女人禁制」を墨守するというのは、それだけ「神道原理主義」とも言える過激思想ではないかと思います。

少し長くなってしまいましたが、少なくとも中川市長の「相撲の取り組みとセレモニーは切り離して考えてほしい」という主張は、現代の常識に基づいた合理的なものだと感じます。

No.60 80ヶ月前

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