abc11 のコメント

現在の改憲議論がどの地点にあるのか、かなり踏み込んで書かれている記事がありましたので紹介します。無料で公開されていないのが残念なのですが、憲法について、考えを深める材料をお探しの方は、是非、図書館等で読んでいただきたいです(一時的に有料会員になる方法もあるみたいです)。その記事は神奈川新聞の特報面「時代の正体 安倍改憲考 岐路の憲法1~5」です。1月1日、3日~6日に掲載されていました。
執筆は田崎基記者です。山尾さんへの渾身のロングインタビュー記事を書いた記者さんではありますが、立憲的改憲論への誘導ではなく、あくまでも日本国憲法が取り巻かれている今の状況を事実を踏まえて冷静に記述した内容となっています。
かなりの分量ですが、第1回~4回までで、安倍改憲は日本会議の動向と一致したもので、あくまでも「次の改憲」への布石であること。そして彼らは「次の改憲」に導くためには自衛隊員を危険に晒すことを厭わないこと(むしろ、それを狙っている?)を明らかにし、第5回で安倍改憲の対立軸として「立憲的改憲論」がようやく紹介されるものの、護憲派から批判が吹き出ている現状が報告されています。
第5回の記事で、自分なりに感じたのは、「立憲的改憲論」を批判する論者たちに共通するのは「いまは」とか「今回の」のように、政局めいた刹那的な感覚で憲法問題を語っていることでした。この感覚は、政治をゲームのようにとらえる安倍政治に特徴的な感覚と共通するかもしれません。これに対して、山尾さんの「立憲的改憲論」は、なぜ、日本国憲法は、安倍(日本会議勢力)政治によって脆くも無力化させられたのか、その原因を直視し、立憲主義への深い理解を踏まえて提案するもの。その視点の違いは根深いものなのか、あるいは前回のゴー宣道場に参加された護憲活動家の方たちのように議論を経て認識を共有できるものなのか、自分には分かりません。ただ、護憲派政治家への働きかけ以上に護憲派政治家の支持者への働きかけの方が大事だと思い始めてきました。だからこそ、ゴー宣道場を起点とした国民運動の重要性も認識しているつもりです。

No.227 84ヶ月前

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