もくれん先生、元坂口さん、ありがとうございます。 「もくれん探偵ミッドナイトスクープ!」に報告させていただきます。 一人のある男の話をします。 ●ある時期、合気道に興味を持ったらしく、しきりに私に勧めてくる。 まず自分が経験してから誘えと言ったら、その男、 「経験者だよ。頭の中でやってるから。」 ●旅行に行くたび写真を撮りまくるその男。 あまりにこちらの意向を無視するので腹が立ち、絶対に自分を撮らないよう約束。 しかしあるとき後ろを振り返ると、私にカメラを向けたその男の姿が。 問い詰めると、その男、 「後ろ姿ならいいと思った。」 ●すき焼き。 最初妻が具材を入れていたが、何に不満を持ったのか、 男「なってない。俺がやる。」と鍋奉行交代。 しかし水ばっかり足すので味が薄まり、ぐちゃぐちゃに。 そこで、その男、 「(妻を責める口調で)ほら、こんなになっちゃったじゃないか。」 私「いやお前がやったからだろ。」 ●映画『ハクソーリッジ』。 ハクソーリッジ=真栄田高地は、首里に遷都する前の王宮・浦添城のあった場所。 男は琉球王朝に思い入れが深い。 浦添城跡の前に立ち、その男、 「(監督の)メル・ギブソンは、琉球王朝に思いを馳せて、デズモンド・ドスの話を選んだのだと思う。」 映画のどこに琉球王朝を感じさせた? 自分の気持ちとメル・ギブソンを混同するなと言ったら、その男、 「文芸評論はそういうところから始めるんだ。」 自分に都合のいい思い込みと文芸評論は全く違うと思うが。 ●始終こんな調子なので、夫婦仲は当然悪い。 喧嘩になれば、恫喝するのは当たり前。テーブルに箸を突き立てて穴をあけたことも。 直接の暴力もあったんじゃないかな、多分。 あるとき私とその男の2人で話していたら、夫婦仲の話題になり、その男、 「でも、それほど仲が悪いわけじゃないよ。 お母さん、さりげなく謝るようなしぐさも見せるから。」 自分が許すかどうかの問題か。 自分が悪いとは露ほども思っていないのか。 これだけのことをしておいて、どんなしぐさを見て謝られていると勘違いしているんだ。 お察しの通り、私の親父の話です。 他人であれば二度と会わない相手ですが、親父なのでそうもいきません。 帰省の度に憂鬱になりますが、最近ようやく客観視できるようになってきたので、 親孝行の一環、精神鍛錬の一環として、この正月も帰ります。 帰省から戻る頃には、改めて大嫌いになっているのですけどね、いつも。 こんな奴でも、私の親父ですから。
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小林よしのりチャンネル
(ID:63182260)
もくれん先生、元坂口さん、ありがとうございます。
「もくれん探偵ミッドナイトスクープ!」に報告させていただきます。
一人のある男の話をします。
●ある時期、合気道に興味を持ったらしく、しきりに私に勧めてくる。
まず自分が経験してから誘えと言ったら、その男、
「経験者だよ。頭の中でやってるから。」
●旅行に行くたび写真を撮りまくるその男。
あまりにこちらの意向を無視するので腹が立ち、絶対に自分を撮らないよう約束。
しかしあるとき後ろを振り返ると、私にカメラを向けたその男の姿が。
問い詰めると、その男、
「後ろ姿ならいいと思った。」
●すき焼き。
最初妻が具材を入れていたが、何に不満を持ったのか、
男「なってない。俺がやる。」と鍋奉行交代。
しかし水ばっかり足すので味が薄まり、ぐちゃぐちゃに。
そこで、その男、
「(妻を責める口調で)ほら、こんなになっちゃったじゃないか。」
私「いやお前がやったからだろ。」
●映画『ハクソーリッジ』。
ハクソーリッジ=真栄田高地は、首里に遷都する前の王宮・浦添城のあった場所。
男は琉球王朝に思い入れが深い。
浦添城跡の前に立ち、その男、
「(監督の)メル・ギブソンは、琉球王朝に思いを馳せて、デズモンド・ドスの話を選んだのだと思う。」
映画のどこに琉球王朝を感じさせた?
自分の気持ちとメル・ギブソンを混同するなと言ったら、その男、
「文芸評論はそういうところから始めるんだ。」
自分に都合のいい思い込みと文芸評論は全く違うと思うが。
●始終こんな調子なので、夫婦仲は当然悪い。
喧嘩になれば、恫喝するのは当たり前。テーブルに箸を突き立てて穴をあけたことも。
直接の暴力もあったんじゃないかな、多分。
あるとき私とその男の2人で話していたら、夫婦仲の話題になり、その男、
「でも、それほど仲が悪いわけじゃないよ。
お母さん、さりげなく謝るようなしぐさも見せるから。」
自分が許すかどうかの問題か。
自分が悪いとは露ほども思っていないのか。
これだけのことをしておいて、どんなしぐさを見て謝られていると勘違いしているんだ。
お察しの通り、私の親父の話です。
他人であれば二度と会わない相手ですが、親父なのでそうもいきません。
帰省の度に憂鬱になりますが、最近ようやく客観視できるようになってきたので、
親孝行の一環、精神鍛錬の一環として、この正月も帰ります。
帰省から戻る頃には、改めて大嫌いになっているのですけどね、いつも。
こんな奴でも、私の親父ですから。