先日小林師範がブログに書かれていた「国際法の専門家だとひけらかす「従米派」」についてネットを漁っていたら、こんなブログを見つけました。

篠田英朗『山尾志桜里議員の「自衛権＝透明人間」論に呆れる』（副題略）
http://shinodahideaki.blog.jp/archives/22400236.html#comments

内容は、「自衛権が国際法で規定されていること知らんの？バカなの？」という感じですが、率直に「だから何？」という印象でした。

篠田氏は「（自衛権は）厳密な運用規範が国際的に成立している。」といっていますが、現実にイラク戦争やロシアのクリミア侵略といった事例が存在する以上、自衛権を騙った軍事的暴走を国際法で抑止するには限界がある、と言わざるを得ません。だから自軍が暴走したり、他国軍の暴走に巻き込まれたりしないための制限を、自前で定めておかなければならない、と考えるのは自然なことでしょう。
現実問題として、現憲法は戦力の存在を想定しておらず、それゆえその戦力を統制する規定が何もありません。だから他国と同様に統制規範を設けよう、とするのがおかしなことなのでしょうか。

自衛権でないものを自衛権とみなされうる状況を、山尾議員は「透明人間」「実態が無い」と言っているのでしょう。
そして軍事的暴走を起こさないために諸々の規定を国内で設け、真に自衛権を行使するときだけ「自衛権の行使」と呼ばれるようになって初めて、自衛権は「実態を持つ」ことになるのだと思います。