やはり言いたい。こないだの道場の、最後の参加者の質問。枝野氏に、 『ただちに健康に影響はない』という発言の印象、自分もありました。 あとでネトウヨ的と判明した友人との会話の影響なのか。分かりません。 でも、確かにあの発言で、マイナスイメージが枝野氏に付いたのです、 自分の中で。枝野氏が言っていた官邸ホームページを探しました。 ↓ http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201103/index.html 平成23年3月19日(土)午後の記者発表で、ホウレンソウ・牛乳の放射線量 について、たしかに「直ちに、皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではない ということについては、十分御理解をいただき、冷静な対応をお願いした いと思っております」と発言しています。これが最初なのかもしれません 。しかし、事故が起こった後3/13午前、住民の被ばくの可能性について、 「健康に大きな被害はないという報告もいただいております」と発言して いて、そこから何度も"現時点では健康に直ちに健康に影響を及ぼすもの ではありません"というニュアンスの発言を繰り返しました。ホウレンソ ウ・原乳の説明は3/21にもしているし、被ばくの試算についても3/23に 説明しています。またこうして文章に残っている会見冒頭の説明だけでな く、その後の記者の質問への回答の中でも、「健康に影響の出る事のない 、非常に低い数値に基づいて」など、そういう言葉を繰り返しました (3/24午前の内閣官房長官記者会見動画より)。なにより、それをマスコミ は繰り返し流しました。なぜなら、放射能漏れという、それまで一度も起 きた事のない(とされてきた)、絶対に起こってはならない=起こったらど んな恐怖の事態が起こるか分からない、というイメージのあった原発事故 、しかも爆発事故が、実際にこの日本で起こったのですから。国民にとっ ては本当に恐怖だったのです。だから今の状況がどうなのか、政府は何と 説明するのか、それが最も国民が注視していた事だったからです。 放射能が爆発で漏れて、健康被害がないわけがない。しかし、政府=当時 の枝野官房長官は「健康に影響が出る数値ではない」と複数回発言した。 それは当時測定できる範囲内では、放射線学会の数字に照らせば、そうだ ったのだろうし、政府見解としてはそう言うしかなかったのだろうし、 また初めての未曽有の事故に、枝野官房長官は寝ないで会見を繰り返し、 余裕もなかっただろうし、同情するに余りある。ずっと原発政策の推進を して来たのは長年の自民党政権だし、民主党政権を責める事などできない 。 しかし、あの、「放射能」という、全く未解明・未知の恐怖の目に見えな い物質の拡散・汚染に恐れおののいていた自分にとっては(特に自分は子 供の頃から原発撤廃論者だった)、あの枝野氏が繰り返した「ただちに 健康に影響はない」という言葉は、呪文のように、自分にとってトラウマ になっている。政府は建前しか言わない(当たり前だが)。どんな危険な事 態が起きたとしても、落ち着いて行動してください、今のところ危険はな い(しかし先の事は、将来の事は、100年後の事は分からないし、政府は 責任は取れないし取らない。)と言われているようで。 今や福一事故のおかげで、放射能は身近なものになってしまった。少々含 まれていても、危険はない。福島の森に溜まっていても、誰もが平気な顔 をしている、今や。すっかり忘れて。自分は福島に近い所に住んでいる。 沖縄や北海道や、あるいはせめて東京ぐらい、200キロくらい離れた所な ら、まだここまで気にしなかったかもしれない。でも自分は福島県に隣接 する群馬県に住んでいる。大学の合宿は裏磐梯に行った。とても身近だ。 枝野氏は当時から、実務能力は高い。あの会見を乗り切ったのだから。 しかし、国民の感情は、常に察知して、言葉を繰り出してほしい。 井上達夫氏との議論を聴いていて、自分の印象としては、やっぱり建前を 強弁するのが上手い人か、しかしあの原発事故当時より、聴衆の感情を 汲み取るように少し成長したかな、代表になった際には、建前と安心感の ブレンドはどうなるだろうな、などと、考えていました。
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やはり言いたい。こないだの道場の、最後の参加者の質問。枝野氏に、
『ただちに健康に影響はない』という発言の印象、自分もありました。
あとでネトウヨ的と判明した友人との会話の影響なのか。分かりません。
でも、確かにあの発言で、マイナスイメージが枝野氏に付いたのです、
自分の中で。枝野氏が言っていた官邸ホームページを探しました。
↓
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201103/index.html
平成23年3月19日(土)午後の記者発表で、ホウレンソウ・牛乳の放射線量
について、たしかに「直ちに、皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではない
ということについては、十分御理解をいただき、冷静な対応をお願いした
いと思っております」と発言しています。これが最初なのかもしれません
。しかし、事故が起こった後3/13午前、住民の被ばくの可能性について、
「健康に大きな被害はないという報告もいただいております」と発言して
いて、そこから何度も"現時点では健康に直ちに健康に影響を及ぼすもの
ではありません"というニュアンスの発言を繰り返しました。ホウレンソ
ウ・原乳の説明は3/21にもしているし、被ばくの試算についても3/23に
説明しています。またこうして文章に残っている会見冒頭の説明だけでな
く、その後の記者の質問への回答の中でも、「健康に影響の出る事のない
、非常に低い数値に基づいて」など、そういう言葉を繰り返しました
(3/24午前の内閣官房長官記者会見動画より)。なにより、それをマスコミ
は繰り返し流しました。なぜなら、放射能漏れという、それまで一度も起
きた事のない(とされてきた)、絶対に起こってはならない=起こったらど
んな恐怖の事態が起こるか分からない、というイメージのあった原発事故
、しかも爆発事故が、実際にこの日本で起こったのですから。国民にとっ
ては本当に恐怖だったのです。だから今の状況がどうなのか、政府は何と
説明するのか、それが最も国民が注視していた事だったからです。
放射能が爆発で漏れて、健康被害がないわけがない。しかし、政府=当時
の枝野官房長官は「健康に影響が出る数値ではない」と複数回発言した。
それは当時測定できる範囲内では、放射線学会の数字に照らせば、そうだ
ったのだろうし、政府見解としてはそう言うしかなかったのだろうし、
また初めての未曽有の事故に、枝野官房長官は寝ないで会見を繰り返し、
余裕もなかっただろうし、同情するに余りある。ずっと原発政策の推進を
して来たのは長年の自民党政権だし、民主党政権を責める事などできない
。
しかし、あの、「放射能」という、全く未解明・未知の恐怖の目に見えな
い物質の拡散・汚染に恐れおののいていた自分にとっては(特に自分は子
供の頃から原発撤廃論者だった)、あの枝野氏が繰り返した「ただちに
健康に影響はない」という言葉は、呪文のように、自分にとってトラウマ
になっている。政府は建前しか言わない(当たり前だが)。どんな危険な事
態が起きたとしても、落ち着いて行動してください、今のところ危険はな
い(しかし先の事は、将来の事は、100年後の事は分からないし、政府は
責任は取れないし取らない。)と言われているようで。
今や福一事故のおかげで、放射能は身近なものになってしまった。少々含
まれていても、危険はない。福島の森に溜まっていても、誰もが平気な顔
をしている、今や。すっかり忘れて。自分は福島に近い所に住んでいる。
沖縄や北海道や、あるいはせめて東京ぐらい、200キロくらい離れた所な
ら、まだここまで気にしなかったかもしれない。でも自分は福島県に隣接
する群馬県に住んでいる。大学の合宿は裏磐梯に行った。とても身近だ。
枝野氏は当時から、実務能力は高い。あの会見を乗り切ったのだから。
しかし、国民の感情は、常に察知して、言葉を繰り出してほしい。
井上達夫氏との議論を聴いていて、自分の印象としては、やっぱり建前を
強弁するのが上手い人か、しかしあの原発事故当時より、聴衆の感情を
汲み取るように少し成長したかな、代表になった際には、建前と安心感の
ブレンドはどうなるだろうな、などと、考えていました。