くりん のコメント

>>66
王を選ぶ麒麟の慈悲深さは長所であると同時に短所でもあります。
十二国記の「風の万里 黎明の空」で民を殺戮し続けた王の娘と知られて芳にいられなくなった祥瓊を引き取った恭国の麒麟は、自分の不遇のみに囚われ続ける祥瓊を哀れんだことを恭国の王から「祥瓊を哀れむ前に、祥瓊を憎まずにいられない芳の民を哀れみなさい」と厳しく諌められました。

国を治める大変さを身をもって知る供王は、「王の娘としてそばにいながら諌めることができなかったぼんくら」と祥瓊を手厳しく批判し王宮で働く下僕となった彼女を一切特別扱いはしませんでした。

祥瓊が自身の境遇への不満から王宮で盗みを働き逃げ出した後も変わらず祥瓊を哀れむ麒麟を王はひっぱたき、それは真面目にきちんと働いてる人たちへの侮辱でしかないと叱責。
哀れむ相手を間違えない様にと釘を刺しました。

麒麟は慈悲深すぎてときに哀れむべき相手を間違えてしまうこともあります。それを本来あるべき方へ正す役目を担う者として、麒麟は王を選ぶのだと思います。
麒麟の慈悲深さと王の厳しさ。それが国を治めるために必要なのだと思います。

No.149 88ヶ月前

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