ヴェトナム人少女事件、容疑者がつかまったのは良かったのですが･･･。

　以前よんだ、戸板康二さんという人のミステリーのことを書きます。
　ネタばらしをしますが、それは日本舞踊の師匠の子供があまりに幼くてかわいらしかったため、その美を永遠に残しておきたいと願った弟子が、気がついたらその子のくびをしめていた、という話なんですが、新聞は、彼の告白手記（遺書）の内容が理解できず「変質者、師匠の愛息を殺す」という標題でかき立て、探偵の中村雅楽が悄然とする、という粗筋なのです。
　確かに子供は急速に成長し、大人、下手をすれば小父さん、小母さんになります。その段階で失われてゆく純粋さや輝きもあるのかも知れません。
　しかし、だからって、命を奪い、この世から消滅させてこれからの人生の可能性を奪って良い、ということにはならないでしょう。何か、そういううつろいやすい無垢さ、純真さを心の中に残したまま、成人する、ということができないものでしょうか･･･と記すと、まるで昭恵のようになってしまいますが（あれは偽物だと思います）。
　ただ、こういう話もある、ということだけは知っておいて貰いたくて、書きました（今回のケースは、そういう場合ですら、ないように思えます）。

　曾野綾子は、悔しかったら、商賣にならないのなら、誤解を解きたければ、自分でも「わしズム」をつくってみれば良い、と思います。