四君子 のコメント

 「FLASH」のよしりん先生の漫画をきっかけに、「太陽の季節」をよんでみました。前に記したように、確かに変態、肉慾のかたまりです。それでも、内容自体は男女のすれ違い、男と女の愛のかけひき、格闘を描いた、ある意味古典的な中身だと思いました。結局、竜哉は英子に敗れたのではないか、と感じました(父信秀の葬儀での、織田信長の行為も聯想しました)。
 しかし、その作品はその作品であり、政治家としての評価や品格はまた別物です。騏驎(きりん)も老いぬれば、駑馬(どば)に劣る、でしょうか。

 石原慎太郎擁護者の名前に、有本香さんの名前を見かけましたので、長くなりますが、述懐を加えます。
 有本さんがゴー宣道場の師範を、不意にやめられた当時は、驚愕しました。名前を冠する番組を「道場」のホウムペーヂ上に開設当初から持たれていたし(つまり、この「道場」のことに、以前から携わってきたのだろうと推察したのです)、先に自分が應募当選した回で、「中國人と朝鮮人と日本人が一緒になったら、物凄い立派な國ができる」とおっしゃられていたのが、強く心に刻み込まれてもいました。その後、ツィッター上で、TPP贊成の胸奥を暴かれ、そのことを時浦さんに素っ破抜かれた際に、何か内輪もめのようなことが起きているのではないか、という杞憂(きゆう)を抱いたものです。
 少し気の毒にも思っていました。
 だから、もしも「道場」に参加されたいのなら、往復はがきで應募されてはいかがですか、と以前の「道場」の掲示板に書いたこともあります。
 一往断っておきますが、これは有本さんを見送るための措置で、かつては関係者だったかも知れませんが、今は過去の人だという区切りを 、ほかの人にもつけてあげられると思ったのです。
 確かにお節介でした。反省しています。
 とはいえ、前に存在した報道カメラマンの渡部さんの番組がなくなったり、故加藤議員の祕書のかたのウェブログも自然消滅し、過去の「道場」のゲストで、今話題にされている稲田朋美さんや、岡田斗司夫さんなどの扱いを見ていると、この「道場」に参加されたからと言って、その胸懐・意見が優遇されることはないのだ、ということが分かって参りました。有本さんも、道場からはなれられた意志は尊重されるべきだ、新しい解纜(かいらん)をいわってあげるべきなのだ、と。
 私も今は、この人にあまり興味はないです。
チベットや、新疆ウィグルのことなどに専念されてほしいと願います。そうすれば、ひょっとしたら(たぶんあり得ないと思うけれども)、胸襟を開かれ、小林先生などとまた共闘する機会もあるのではないか、と思います。少なくとも、そのことに関してだけは、正しいのではないか、と私は思うのです。
 小林先生は先に角川で出された新書で、中國の民主化・解体は國内での果てしない殺戮を生じ、日本をはじめとする周辺諸國をも混乱に招く虞れがあるとおっしゃられていましたが、朔北(さくほく)、西域で元来「支那」でないところについては、直接的ではないにせよ、独立を応援するのは悪くはない、と思います。このままでは、チベット人、ウィグル人が居なくなってしまうのは事実だから。

 なお、先に、南アフリカのホウムランドは旧ソ連や中國の民族同化よりはましだ、みたいなことを申しましたが、政府に人為的に押し込められた領域を勝手に「國」扱いして、治安維持をする政策は、合衆國でインディアンを強制移住させるのと同じで、やはり部族間の紐帯(ちゅうたい)を断ち切ることにしかならぬのではないか、と考え直しました。勿論、ソ連や中國共産党の施策とも重なります。アラブ地域・西南アジアではないですが、こういう地域に無理矢理國民國家を建設するのは無茶なのではないか、もっとゆるい統合で、部族内における自治を認めて、國防みたいなものは中央政府が責任をもって独占する、みたいで良いのでは、と思いました。
 そう考えると、やはり日本はめぐまれているように感じられます。

No.171 93ヶ月前

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