不信から未来は築けないのですよ。理屈さえ合っていればそれでいいだろうと開き直る人達にはそれが分からんのです。さんざん信用を踏み躙る真似をしておいて、実害が生じないからそれでいいと言っても、それは現時点での分かっている範囲内、つまり想定内の事でしかない。災害は原発を見ても想定外に起こる。つまり、現時点での最先端を売りにする専門家の知見は万能ではない。震災を通じて、専門家の知見が権力によってどうにでもなることが暴露されてしまった今、不信を生んだ時点で豊洲移転は分が悪いでしょう。

いろいろ説明されたって、それが本当に全部かどうか素人にはそもそも分からないし、分かったとしても現時点で、という留保が付く。だからこそ、信頼が大事なのです。賢しい人間はすぐ「法的に」とか「科学的に」とか言いますが、それが分かっていない。

反面、不信をコントロールすることで大衆を扇動するのも可能です。これは独裁者が得意とする手法でもあります。小池氏にはその危険性もある。彼女がいかにして都民からの信頼を都政に取り戻すのか。それを見極めるにはまだまだ時間がいりそうですね。