四君子 のコメント

 またアニメーションの話をします。御勘辨のほどを。
 2008年に放映された作品に、「シゴフミ」というファンタジー作品があります。
 内容を知らない人のために記すと、
なくなった人の生前の思いを配達する「シゴフミ」の配達人という精霊たちがいて、
その「シゴフミ」をめぐる人間ドラマが描かれている作品で、
第一話・第二話の前後篇からして、とてもショッキングな内容なので、つづく第三話なども凄い話なのですが、
その第六話目に「サケビ」という、ストレートにいじめをあつかったエピソードがあります。
 とあるインターネットの掲示板に、「半分死人」という名前で書かれた書き込みがあって、
 そのエピソードの主人公が、その書き込みをしたのが、クラスで集団いじめを受けている同級生だということに気づき、その事実を本人から確認します。彼はつらくてつらくてたまらない、助けてくれと訴えました。
 ところが、深夜の学校で、その主人公もそのいじめグループと一緒にいじめに加わる結果になり(屋上で、綱渡りをさせられそうになる)、
 危うく警備の人がやってきて、「じゃれあっているだけだ」ということでその場はおさまりました。
 実は主人公が携帯電話で警備の人を呼んでいて、いじめグループにそれ以上のことをさせぬように仕組んだわけで、「あとは自分で何とかしろ」ということだったのですが、
その直後、いじめの被害者は(いじめっ子らが帰った後)そのまま飛び降り自殺をして、
その後、その主人公自身がいじめのターゲットになって、
深夜の学校でいじめにあっているところへ、シゴフミの配達人がやってきて、
「これで自分の気持ちが分かったか、ざまあみろ」とかいうメッセージがシゴフミには記されあって、
絶望した彼は、思わずピックのようなものをつかんで・・・、というストーリーです。
 いうまでもないことですが、見て見ぬふりをする、というのも罪なのであって、
 けれども、自分も同じ目にあいたくないから、従わざるを得ず、
 自分が当事者になって見なければ、そのつらさ、かなしさ、孤独さがわからない、
 はたから見れば、ただ面白いだけ、ということになりかねないのでしょう。

 今号のライジングコメントでは、かなり出しゃばりすぎました。お目障りだったかもしれません。 すみま千姫。
 少し控えます。

No.156 95ヶ月前

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