四君子 のコメント

 小林先生のウェブログ「絵の上手さと漫画の上手さ」について、思ったことを記します。
 年明けあたりに、松本零司の絵をファン以外の人が見たらどう見えるか、ということを投稿しましたが、
 絵や漫画に限らず、誰でもうまい人の模倣をするのだろうと思います。
 ゴッホも、歌川広重の模写をしているのだから。
 その中で、自分の個性を見いだしてゆくのだろうと。
 私は似ているということと、同じということは違うことだと思います。
 そっくりであったら、鸚鵡や九官鳥や懸巣(かけす)と同じだと。
 
 昔、小学館の学年雑誌にのっていた「魔女っ子メグちゃん」の漫画にこんなのがありました。
 日本に到着したモナリザ(のような)絵をノンが魔法で大量に複製して、
 それを見かねたメグが、ノンの偽物を大量に魔法で出現させ、
 困り果てたノンに絵を元にもどさせる、といった話です。
 ナンバーワンよりオンリーワンというとSMAPの歌みたいに聞こえますが(本当は新垣勉さんという歌手のことばなのですが)、
 オリジナルはこの世に一つしかないから、光明がさすのだろう、と。

 「路傍の石」にもこんな挿話がありました。
 黒田という美大生が、とある貧乏な先生の諷刺画をかいたことがきっかけで、
 (その先生の推薦で)とある雑誌社専属の画家になり、人力車を使う身分にまで出世したのですが、
 あるとき、自分の絵から声が聞こえてこないことに気づき、
 社をやめて、一から出直すことにした、という話です。

 作品の中から迸(ほとばし)る声(魂)とはどのようなものなのか、
その真に意味するものは、その制作者である当の本人にしか感じ取れないのだろうと思います。
 この世界の中では、「艱難(かんなん)、汝を玉にす」、だと。
 私には、絵や漫画のことはよくわかりませんが、何となく思ったことを纏めてみました。
 つまらないことを長々とだべりました。ご宥恕のほどを。

No.152 92ヶ月前

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