しかし国民の総意に反対しているが存在している天皇制はヨーロッパ絶対王政時代の王権神授説、神話から続く万世一系の天皇制になりますよな。
万世一系の天皇制が国民の総意が必要かどうかはさておいて、明治政府が神話から天壌無窮の神勅を持ちだし日本を統治するのは天皇だ！と憲法に明文化しました。この効果は？
一つは天皇中心国家を作る上で邪魔な封建主義的な価値観の一掃。未だに自分の藩の殿様や、徳川慶喜に対して忠誠心を抱いている旧武士階級がいますからそれを潰す為。
天皇国家というだけで真空状態を作り出し、旧体制派が入り込めないようにしたわけですな。
帝国議会は藩閥政府に反発する武装団みたいなものですからな。最悪、殺し合いまで発展する危険性があるので明治天皇の権威を使ったわけですな。
そして伊藤博文自体も円滑に政権運用するには政党が必要かという考えになり政友会を設立。
君主専制とは真逆で権力がなく権威のみの天皇統治が明治時代からすでにあったんですな。政府と議会が喧嘩ばかりしてますからその調停役としての。
さて日清日露と進むと国民の同一化の流れが加速し封建意識、藩意識はかなり減少していきました。
明治政府の策略どおりですな。しかし、昭和に入ると敗戦。占領政策の過程で憲法から天壌無窮の神勅の排除、それに変わる国民の総意としての天皇が誕生？しました。