今朝の朝日新聞の朝刊によると、政府は天皇陛下の退位に関して、特例法に「陛下の固有の事情」というものを盛り込むそうです。退位の一般的な要件を定めないかわりに、特例法に陛下が退位までに至る経緯を時系列で述べて、「退位を他の天皇の先例とはしない仕組みを作る（政府関係者）」とのことです。
　
　これにはアホかと思いました。もしまた次の天皇や、その次の天皇が退位を願ったら、その度に「固有の事情」などと言いだすのでしょうか。むしろこれは、政府が恣意的に天皇を退位させる「口実」を、堂々と世間に知らしめる危険があります。　

　また政府は、陛下が高齢ために被災地訪問などができなかったことを理由に退位することは、将来の天皇の在り方を縛ることになる、と考えているようです。これもおかしい。天皇がどうあるべきかということは、例えば昭和天皇と今上天皇とでは全く違うでしょう。政府は天皇のお気持ちはや国民の望み、時代性といったものは永久に変わらないとでも思ってるのでしょうか。

　さらに、政府は高森先生や民進党の掲げる退位の要件（（１）皇嗣が成年に達している。（２）天皇のご意思に基づく。（３）皇室会議の議決による。）に対しては「天皇の意思による退位は、天皇の政治的行為を禁じた憲法4条に触れる」「皇室会議は形式的なものに過ぎない」などと言っているそうです。

　天皇の退位や即位のどこが政治的行為なのか？皇室会議の他に、皇室に関して一定以上の公平さが保証される場があるのか？政府は皇室を自在に操る言い訳を、必死に並べ立てていますね。