童人 のコメント

 素朴な疑問です。そもそも多くのゴー宣読者は、本当に「自分と同じ考え」だから小林よしのりのファン、なのでしょうか?

 僕の「小林よしのり」との出会いは、我が故郷を描いた『沖縄論』でした。正直に告白すると、作中の「薩摩の琉球侵攻は、侵略ではなく歴史的必然だ」という先生の主張に、多少の抵抗は感じました。主張の正しい・正しくないは別として、僕の沖縄県民としてのアイデンティティが、先生の言葉をそのまま受け入れて良いものかどうか、当時かなり悩んだ記憶があります。

 それでも、小林先生がご自身の感性で、沖縄と真摯に向き合い理解しようとする心は、強く感じました。「こんな人もいるんだ」と思ったのです。それ以後、”小林よしのり”は僕の中で、目の離せない人物になりました。

 曰く「小林よしのりのファンは、よしりんがどんな意見でもそれに従う」……まぁ、分からなくもありません。中には、そういう人もいるでしょう。しかし、多くのゴー宣ファンは違うと思うのです。

 小林先生の意見そのものというよりも、その”思考の過程”。「ゴーマンかまして」と言いながら、実は常識とご自身の感覚とのバランスを重視し、あくまでも真実を追い求める姿勢。そこに共感するから、「結果として」同調しているように見える。それだけの話だと僕は考えます。

 そして、小林先生の思考の過程は、誰にでも辿れるものではありません。真っ当な社会人であれば分かるはずです。誰だって組織にいれば、流されたり染まったりしてしまう。個人の力で戦ってきた小林先生にしか、それは成し得ないと。
 全体主義などと非難する前に、自分が小林よしのり以上の説得力を持てるように、あるいは小林よしのりと対等な立場で議論できるように、努力なさったらいかがかと……田原総一郎氏や辻元清美氏がそうであるように。僕のような凡人以下の人間には、そんな気さえ起こりませんが。

 少なくとも僕にとっては、「小林よしのりはどう思うのか? なぜそう考えたのか?」を知りたいというのが、ゴー宣を読み続ける動機であり、小林先生のファンを続ける理由でもあります。

 正しい意見を知りたいのではありません。小林よしのりがどう思うのかが、知りたいのです。「小林よしのりはああ言ったけど、オレは違うと思う」……それを言いふらすという行為自体が、小林先生の”大きさ”を利用し、自分だけ高みに上ろうとする甘えた態度ではないかと思います。

No.85 98ヶ月前

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