久米 のコメント

『かば焼きの日』って、今見てもやっぱり名作だったと思います。
雅子様が爆弾を投げる、というブラックなギャグシーンばかり印象に残るけど、本当に重要なのは、皇室を巡る報道への違和感や、庶民の天皇への敬意の根源とは何なのか、という問いであったと思うのです。
その問いは、『天皇論』『新・天皇論』により理論的に反論できたと思うのですが、魚の小骨が喉につかえたような感じで、自分自身納得しきれてないなと言う思いがありました。
しかし、今回の陛下のお気持ち表明を端緒に、繰り広げられた議論のおかげで、ようやく一周回って『かば焼きの日』に立ち帰り、その問いに答えられるような気がします。

「これでいいの!伝統なんかにこだわらなくても天皇は立派な人に違いないって!」
「皇太子も温厚できりっとしててイイ男!」
「彼らの幸福を願うならば彼らの望むようにさせればいい」
「天皇家に真の敬愛と自由を!」

巻末の言葉で小林先生は、未熟だったと書いておられましたが、素朴な庶民感覚による「尊王心」の表れでもあったと思います。
それに答えが出せない人が、狭いコミュニティの中でしか通用しない「何が何でもダンケー」「どうしてもY染色体」「血脈だけが大事」みたいな、空虚な呪文にすがる事しかできず、上から目線で尊王した俺エライ!って気になるのでしょうね。

No.215 96ヶ月前

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