ねこまる のコメント

こんばんは。ノーベル文学賞について、思い出を少し書かせていただきます。
大江健三郎が受賞した時、私は文学部の大学生(年がバレますねぇ)でした。が、誰それ? という状態で、これはイカンと、速報を見た夜の10時過ぎ、近所にオープンしたての深夜までやっている本屋に走りました。でも取り扱っていたのは、文庫が二冊だけ。とりあえずそれを買い帰宅。
後は大学のテキストを調べたら、現代文学基礎で「屍者の驕り」という短編を既にやってました。内容は結構鮮烈で良く覚えてましたが、作者名やタイトルはすっかり忘れてました。なんだかなあ~。
生活費のために死体を洗うバイトをすることにした大学生の、その一晩の物語です。
買った文庫の1つは短編集で、「他人の足」という作品が衝撃でした。障がいのある子供達が入院している小児病棟の物語。表面的な差別とその奥のもっと深い差別をえぐっていて、切ないです。
こういう作品を書いていた人が、なぜ今こうなっているのか?
おそらく全て差別をモチーフに作品を書いていたので、それがおかしな方向にねじれてしまったのではないかと…。
後、当時印象的だったのが、大学の学生も先生も受賞を一切話題にしなかったこと。
文学部なのに…。
まあバブルの大学生は仕方ないとしても、なぜ先生も…。
ノーベル文学賞の評価って、専門家(?)には、そんなものだったんでしょうねぇ。やはり選考過程が分からないためか? 言語の壁があるためか?
あの頃を思い出すと、今のハルキスト達の騒ぎが、とても寒々しく感じます。

No.181 97ヶ月前

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