叢叡世 のコメント

タイの次期国王のワチラロンコン(ワチラ、ヴァジュラなので金剛(雷)ですね、チベットで言うならドルジェ、モンゴルならドルジです、英語ならシッキムのダージリンのダージ)ですが、この人国王になるまでは放蕩の限りを尽くしてタイ国民から余り好かれていなかったそうです。
逆に、独身で子供のいない妹君のシリントン王女の方が広く国民から敬愛されていて寧ろこちらの方を国王に推戴すべきではないかと言われていました。

タイはご存知の通り王制です。
政体は一応我が国と同じく立憲君主国ですね。
日本と同じく、列強に苛まれながらも近代化を果たして当時の国際連盟にも加盟していましたよね。

ただ、貧富の差は大きく支那系の子孫のタクシン派(チナワット・タクシン元首相は中国人の末裔)が人気を誇っており、選挙ではタクシン派がいつも勝つんです。
しかし事ある毎に軍隊がクーデターを起こして政府を潰して軍政を敷いたりしているんですが、それでも不満が頂点に達しないのは前国王のプミポンの徳があったといわれています。

ラーマ9世プミポン前国王にはワチラロンコン国王とシリントン王女の他に二人の王女がいましたが結婚で王籍を離れたので候補はこの二人となったわけです。

今の国王が今までの事を捨てて政務に勤しむことが出来るのかと言われれば、今年の七月に透破抜かれていたようなので急に転換することは難しいかもしれませんね。

選挙もありますし、またタクシン派が勝つことでしょう。
その時軍部がまた王制保護のためにクーデターを起こすのかと言われればそうなるのかもしれませんが、今のワチラロンコン国王の建前でその大義を掲げていられるかどうか甚だ疑問です。

嘗てネパールも王制でしたが、甥のディペンドラ王族一家が殺されてから王位に就いたギャネンドラの時には国民から嫌われまくって遂には追放されましたね。
ネパールも貧富の差が激しく毛派(マオイスト)の弛まない活動で国土の9割近くを制圧していたそうです。
マオイストも酷いことをしているのですが、それでも王政よりかはマシと判断しているのでしょう。
今のネパールの政党は左翼政党だらけですよ。王制を支持する人たちなんて誰もいない。

結局、どんな理屈をつけて王制を維持しようにも国民の支持を得られなければ王国は終わってしまうんですよ。

種さえあれば良いという自称保守派はどうやって外国の王制が潰れていったか、歴史から全く学ぼうとはしないんですよ。
ワチラロンコン国王は昔の武列天皇みたいなものでしょう。

武列天皇程ではないかも知れませんが、信は置けていないようです。

No.117 98ヶ月前

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