こけけっこー のコメント

>>133
ちぇぶさん

ご両親より何年か年下ですが、私もほぼ同世代です。ご両親の「天皇陛下に対する思いの変化」を興味深く伺いました。
 実は私も数年前までは(つまり「天皇論」のシリーズが出版されるまで;;)、特に関心も無く、独特の敬語を使って皇室について語ったり崇めたりする人がいると「何かウソくさいな~」くらいに感じていました。

 確かに変わったのは、すぐご近所で、ある場面を目撃してからです。
 その頃、民生委員で地区の独居老人のお宅を定期的に訪問していました。そのお爺さんは、いわゆる「変わり者」と目されており、酒は飲むし喧嘩っ早いし過去も何かと家族やご近所ともトラブルがあり、---年老いた頃には孤独な荒んだ暮らしでした。

 あの3,11の大震災後の頃にそこを訪ねた時、その玄関に入って驚きました。---天皇皇后両陛下が破壊され尽くした被災地の海に向かって深々と黙祷しておられるお背中の写った大きな写真(新聞記事の)が壁に貼り付けてありました。眼前に累々と広がる瓦礫とその向こうの海。
 そしてその記事の周囲には、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻ら皇族方が被災した各地をお見舞いしおられる新聞記事の切り抜きが、壁を埋め尽くすほどに張り巡らしてありました。

「天皇陛下と皇后陛下はどんな思いでこの景色を見ておられただかなぁ・・・。こんなになっちまった街、うんとたくさんの人達があの津波で死んだ。こうやってすぐ傍に行って祈ってくれてるだ・・・みんな無くしちまった人達を訪ねて慰めてくれてるだ・・・ありがてえなぁ・・・。
 その気持ち思うとな、俺もこうしちゃいられねえ、って思うだ。この写真見る度に俺も勇気出さなきゃ、って思うだ・・・これ見て俺、自分励ましてるだ。」

 ごく普通の、いや、荒んだ暮らし・困難の中にいる人の心にこそ「天皇陛下」は住んでおられる。大変なことが起こった時、また渦中に置かれている時、---あたたかい光が注がれるように、やはり貴い品位はその「光源」となっていることを知らされ、---しばらくその玄関に立ちつくしていました。

 「天皇論」シリーズを読んでいてもその意味がジワジワと解る・皇室が続く意味を身を入れて考えるようになったのはその出来事以来のことです。

No.140 100ヶ月前

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