武藤 のコメント

「国民主権」について。
国民主権とは一人一人の国民が権力を行使できるという理論ではない。いくら主権があろうとも、それを行使できるのは選挙のときでしかない。選挙権を持たない子供。胎児は主権がないのか?になる。
憲法学の一般的な考えは権力の正統性である。
つまり、国民が選挙で議員を選び、議員の中から内閣総理大臣が選ばれる。権力の源泉が国民ということになる。
戦前においては、権力の源泉は天皇であり、実際の権力行使は元老、官僚、政治家が行うにしろ
天皇の名において三権は行使されていた。
戦前と戦後の違いはそこですな。この変化自体はたいしたことではない。
問題は国民主権に移行して、皇室典範が一法律になり自律権が無くなってしまったことである。
一法律に過ぎないから、国民や議員が女性宮家はー、女性天皇はー、生前退位はー、と喧々囂々と議論をせざるをえない。国民が皇室の制度を弄れるようになったのが「国民主権」の最大の罪であろう。
戦前ならば、天皇の発議で皇族会議が開かれ、そこで決まることができた。議論が紛糾して結論が出ないなら「聖断」もできたはずだ。国民が容喙する余地はなかった。
それが、戦後になると、自分の家のことなのに皇室は口は出せない。国民のみに認められるというアンバランスな状態になった。これでは議論が進行しないのは当たり前ではないか。
占領軍は上は皇室、軍隊、下は警察まで好き勝手に改造した。日本がこうなのはみんな占領軍のおかげだ。この不自然な状態を政治家、国民が甘受していることが最大の不自然だと思う。

No.40 101ヶ月前

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