武藤 のコメント

民主主義という病いを読みました。
これを読んで感じるのは民主主義について、戦後の日本人は真剣に考えたこともなく「よく分かんねーがありがてーもんだ」と全くの無知であることです。
明治時代の日本人は藩閥政府も自由民権運動家も近代主義、民主主義について真剣に考え、問題点なども分かっていたんだなあと思います。
藩閥政府が民主主義を嫌っていた理由は「人民に主権を渡すと衆愚政治になり、国を誤る。だから我々元老が陛下を輔弼し、日本の独立を守る」と考えていたはずです。結果的にポーツマス条約の後の暴動が見られるように民意=正義ではないことが証明されました。
大正デモクラシー、政党政治を経験していくうちに政府も民意には逆らえなくなり、軍の暴走である満州事変も事後追認する形になりました。民意が関東軍を支持したからです。
その後に近衛文麿が首相になったのも近衛が国民、政党、軍部に人気があったからであり、調停役として期待されたからです。
そして、近衛は民意に従い支那事変を泥沼化させ
日独伊三国同盟を結び、南進政策を取りアメリカとの開戦を不可避にしました。これも民意に従った政策です。昭和天皇、西園寺公望もそれが間違っていることは分かっていてもどうしようも出来なかったのは近衛文麿が民意を代表してたからです。
そして敗戦を迎えるわけですが、当時の日本人が戦争について正しく認識できていたならば「民主主義によって戦争は起こる。軍部がいくら強力とはいえ民意には逆らえない」です。
しかし、敗戦責任を負いたくない国民は責任を全て軍部に負わせ、自分たちは被害者であると強弁しました。こういう国民だからこそGHQの占領政策にハマり、民主主義万歳になったのだと思います。
自分たちに責任を負いたくないから、天皇、軍部の戦争責任に躍起になる。こーゆう国民が民主主義について正しく理解できるはずがありません。
先生の本を読んで民主主義は実に血なまぐさい危険なもの、暴走するものと理解できる国民が増えることを望みます。

No.143 103ヶ月前

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