メイドインアビスが読まれる理由
しんどい・・
とんでもなく「つらい話」がこれでもかと続く漫画。
なのにキャラクターは可愛く、アートワークは最高で美しい。
これが今回ヤンサンで取り上げた「メイドインアビス」の最初の印象だった。
すぐにわかったのはこの漫画が「売れるために今の空気を読んで作られたコンテンツ」ではないことだ。
作者はどのキャラクターも愛している。
特に主要キャラの子どもたちに関しては「愛しすぎている」
漫画の中で主人公の母「ライザ」が「私にとってリコ(娘)は大切過ぎる、だから彼女を縛らないために離れなくてはいけない」と言っていて(これに関しては放送の最後に話したのだけど)
僕は「ここ」にこの作品の「核」があると思う。
【子供たちはどうなったのか】
コメント
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アビスは残酷萌え描写がキツくて6巻までしか読めてないのですが、気が向き体力のある時に続きを追ってみたいです。
最近よくいろんなタイプの「毒親」もののエッセイ漫画を読んでいるのですが、全体的に共通しているのは「機能不全家族」だったこと、そして心を無視され無下に扱われ向き合って貰えずに、肉体的に精神的に虐待され続けてきた という点が浮かび上がってきます。そして若き頃に捻じ曲げられた心と価値観を回復させていくには大人になっても相当な時間がかかる…ということも。
カルト宗教の二世三世問題、高学歴お受験主義の名士系家庭、性の乱れによる貧困と暴力家庭の負の連鎖……いろいろなパターンはありますが、根っこの部分で、親が子に向けた「愛情」…という名の仮面を被った、本質は親が子供を自分の「自己実現の道具」、「自分のメンツや社会的体裁のためのアクセサリー」「自分の欲望を満たすパーツのひとつ」にしてしまってきたことにあるのかな と。
戦前から培われてきた日本という国の「誠実さ」「嘘をつかない」みたいな美徳が薄れ、バブル拝金主義時代とはまた違ったネット発達現代特有の「数字主義」「バズれば正義」みたいな風潮に若者が逆に心を蝕まれ苦しめられる事のないように…と祈るばかりです。
育った環境が地獄でも、家庭外の他者のやさしさや大らかさに助けられはぐくまれ、命を繋いでゆける人もいる。
またズタズタの心を音楽や漫画、アニメ、ゲーム、小説、ことば、お笑い、映画、あらゆる文化や芸術という名の揺り籠が救ってくれたり、あるいはスポーツや自然の植物や動物、風景が慰めてくれたりする。
アビスに出てくる上昇負荷のように、どちらにせよ時計の針は左には進まないので。
二代三代に亘って家庭の中で、あるいは国家間や民族の歴史の中で積み重ねられてきた負の因襲・スパイラルを、少しずつ解きほぐし浄化し よき方向へ変えていけるように……と願うばかりです。
何にせよ、これまで押し込められ「無きもの」として虐げられ踏みつけ隠蔽されてきた弱き小さな声が、存在が、実態が、暴力が、表にあらわれ明るみになり、光を当てられやすくなってきた、可視化されるようになってきた という部分では「いい時代」になったと思います。
寒さの増す季節になりますがみんなが少しでも温かく過ごせますように。