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山田玲司のヤングサンデー 第319号 2020/12/7

中国の「無人タクシー」

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今週、中国では「無人タクシー」が無料で使えるようになるらしい。


文字面だけで相当なパンチラインだ。

あまりに唐突な情報なのでフェイクニュースかと思うかもしれない。


でもこの話、どうやら本当らしい。

中国ではここ数年「自動運転カーの実用化」に力を入れていて、どうにか世界最初の自動運転車タウンになろうと政府、民間が協力して頑張っていたらしい。


日本でも各メーカーが必死に自動運転カーの開発を進めているけど、とにかく自治体の協力が難しく、例のごとく「規制の壁」と戦っているうちに世界との差が開いていったという。


中国では各都市がこぞって「世界最初の自動運転社会」を目指しているので、一般道での試運転に関しても(政府が)協力的なのだという。


そんなわけで、すでにいくつかのバスなどでは自動運転が始まっていて、今回の「自動運転のロボタクシーの無料使用」というのも、完全実用化のための試験として行われるとのこと。


色々調べてみると、それなりに「事故」や「失敗運転」などもあり、その度に「ロボタクシー」は批判されてきた歴史もあった事がわかってきた。


それでも「明るい未来」に突き進もうという中国で、ロボタクシーは着実に実用化へのカウントダウンに向かっている。


環境意識に関しても大きく進歩していて、車の走行に関してもナンバープレートで「走れる日」が決まっていて、排ガス規制に効果を上げている。


先のロボタクシーの批判に関しても、試験運転をしていた自動運転車のナンバーが「走行可能日」に走っていなかった件が批判されていたりする。


当然「発展」の影には「取り残される人々」は沢山いるし、過剰な競争で苦しんでいる人達もいる。

政府の徹底した人民管理や、表現規制、人権問題など、乗れない問題も多いと感じる。


それでも「未来へ」という空気は明るい。

実に懐かしい「60年代初頭の日本の空気」に近いものを感じる。



今回の中国アニメ「羅小黒戦記」にはそんな空気が満ちていた。




【妖精はどこへ?】


そんな「開発」と「発展」が進むと、当然「失うもの」も多くなる。

「羅小黒戦記」でも、人間に棲み家を追われた「妖精たち」の苦悩が語られる。