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山田玲司のヤングサンデー 第264号 2019/11/18

「焼きそば」と「村上春樹」

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大好評の「村上龍VS村上春樹」の放送が終わった翌日、僕は湘南に向かっていた。


この日はゴルパンオフ会で毎年恒例となっている「秋の湘南バーベキュー大会」なのだ。


コンロは4台。

参加者を4つのチームに分けて色々焼いていく。


我らがおっくんが叫ぶ。

「みなさん、焼きそば選手権を始めます!」

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「いきなり焼きそば?」と、不思議がる人達におっくんが言う。


「最後にすると、みんなお腹いっぱいで焼きそば食べへんねん!」


ちなみにおっくんは焼きそばとベーコンを愛する男だ。



そんなわけで、バーベキューは開始早々「焼きそば選手権」になった。



ところで。

僕はといえば、ここ数日の政局の流れに陰鬱な気分で朝を迎えていた。


TEDもヤンサンもうさぎの絵も、まあまあ満足のいくものになったけど、肝心の社会が「体験したことのない深刻さ」で進んでいる。



例の「桜の会疑惑」の裏で進む「日米FTA採決」への流れが特に気になる。

TPPの話は昔からヤバいと思っていたけど、事態は二転三転して行き、訳のわからないままとんでもない所にまで話がきている。


今は現場取材をしていないので、どこまでが事実かは「僕の位置」からはわからない。

取り越し苦労ならいいけど、最悪の事態も予想できる。



「それもこれも国民が政治に無関心になってしまったからだ」

なんて使い古されたフレーズが、昨日の村上春樹の「デタッチメント」の話と重なる。


「俺には関係ない」と思っていたのに、勝手に消費税は上がるし、医療費負担も上がっていく。

給料は上がらないのに、国会議員の報酬は増えていく。


何でも「新しい原発を作る」などという「とんでもない話」まで進んでるらしい。


暗澹たる気分で迎えた「秋の恒例バーベキュー大会」だったのだけど・・・


困ったことに「焼きそば」が超美味い・・・


美味すぎるのだ・・・


クッキングダディという、現役のシェフがいる有利すぎるチームは、絶妙の塩加減で勝負してきた。

「俺はニンニクに頼らないっす」とか言ってるダディ。


ニンニク無しなのに美味い・・・


一方「味噌」を使ったチームも最高だった。


焼きそばといえばこういう味だよね、というしっかりとした味付けの「醤油ベース」のチームもこれまた美味い・・・


おいおい、何だこのレベルの高さは・・


なんて思っていたら、最後はブラジル育ちのオズが味付けした「南米フレーバー焼きそば」が出来上がった。


こっちは堂々とニンニクを使っていて、エスニック風味で、超美味い・・・



こんなもん勝敗なんか決められるわけない。


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そんな風に「焼きそば」に夢中になっていたら、何だか「自分の中の毒」が抜けているのに気がついた。






【春樹のスパゲッティ】


そんなこんなで僕は村上春樹の初期小説を思い出した。

「人はどうでもいい、僕はスパゲッティを茹でる」という感じのやつだ。