「音程」って何だ?
またしても「自分」に呆れている。
何かと言うと、バンドの話。
僕は「ヤンサンフェス」にバンドで出るので、その練習に行ってきたのだ。
ようやく夢が叶って、おっくんと一緒に「アリス」を歌うのだ。
僕にとって「アリス」ほど自分の「リアル中2時代」を象徴するバンドはない。
ネタ的な意味での中2ではなく、自分が本物の「中2」だった頃、ハマっていたのがこの「アリス」のカバーだった。
3人のおっさんが低い声で「ダンディ」に愛や苦しみや「優しさ」なんかをを歌うバンドが「アリス」だ。
ダンディには程遠い埼玉の田舎の中学生が「それ」に憧れる意味がわからないのだけど、とにかく当時(80年代初期)の中学生はみんなアリスにやられていた。
今思えばかなり妙な世界観だし、サウンドもベタなアリスだけど、とにかく「おっさん」がかっこつけているのがいい。
アリスは「Beatlesフォロワー」なので、それぞれのボーカルに見せ場があって、やたらとハモる。
そんなわけで、当時の僕は覚えたてのギターで友人と毎週のように「アリス」を歌っていた。
そんな思い出も「MTVの襲来」やら、ブルーハーツの登場やらで、遥か遠くに行ってしまっていた。
この話は何度か書いたけど、ここで改めて書きたい。
震災前の2010年。
取材で当時の毛皮のマリーズの志磨遼平に会い、彼に「おっくん」という人間を紹介された。
おっくん本人に会う前に、志磨遼平のラジオになぜか出ていた「おっくん」の声を聴いた。
単なる故郷の友人が堂々とラジオに出ているのも面白いけど、この時おっくんは志磨遼平に向かって「マリーズは解散せえ!」「これを聴け!」と言った。
何を志磨遼平に聴かせたのか?
それが「アリス」だった。
その瞬間僕は「こいつ面白い!!!」と思って、おっくんと会う事にしたのだ。
要するに「アリス」が俺たちを繋いで「ヤンサン誕生」になったのだ。
そして、現れた「おっくん」は、ご存知の通り、B’zだの少年チャンピオンだのが大好きな「超絶ベタ男」であり、同時に完全に時代から外れた「明治時代の蘭学者」みたいな男だった。
そんなわけで、彼と一緒に「ヤングサンデー」を始めたのだけど、どうせならこいつといつか「アリスを演奏したい」と、ずっと思ってきたのだ。
そんなこんなで、ゴルパン音楽部のみんなに協力してもらって「アリス」をやることになった。
しかし、せっかくのアリスなのに、連日のハードスケジュールで体はボロボロ、おっくんも風邪をひいている。
その上、更にアレンジを独創的にしたものだから大変な事になっていた。
それでも僕はこの状況が嬉しくて、スマホで演奏を録画していた。
帰ってからその動画を観て愕然とした。
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