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山田玲司のヤングサンデー 第189号 2018/6/4

消えた「失恋コンテンツ」

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【コスパじゃねえ】


先週の放送は「バーチャルアイドル」の話だったんだけど、結果的にゲストの「ねりな君」のアイドルへの「ガチ恋話」で恐ろしく盛り上がった。


ねりな君は本気でアイドルに恋をして、年間100公演も追いかけ続けた「本物」だ。

いかに「アイドル」が「仕事」で、それが「虚構」であることはファンはわかっている。


「わかっているけどやめない!」「なぜなら彼女が好きだから!」という「正しい恋愛モード」に心は決まっているのだ。


なので「そんなに追いかけても、貢いでも、彼女は君を愛してはくれないんだから、もっと身近で現実的な相手にしなよ」なんて言葉は聞かない。


それは「功利主義」や「コスパの概念」を超えていて、逆に「潔くてさわやか」に見える。

そもそも自分にとっての「損得」ばかりを考えるようでは「美しい恋愛」には見えない。


「たとえ報われなくても、相手の幸せを願って、自分は犠牲になってもかまわない」

なんてのが本来の「恋愛」だろう。


そういう意味では彼らの恋愛は美しい。


とはいえ。


そんなファンの心にも「もしかしたら僕を好きになってくれるんじゃ・・」なんて気持ちはある。

それがエンジンになっているからこそ私財と時間を投げ出して追いかける事ができるのだ。




つまり彼らは延々と「本気の片思い」をして生きているのだ。


覚悟の上の「報われない片思い」は、将来の不安を埋めるための「婚活」なんかとは対局にあるとは思うけど、あまりに切ない。

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【中島みゆきは言う】


そう言えば中島みゆきの歌の歌詞にこんなのがある。

「愛した人の数だけ愛された人はいない」

「落ち葉の積もる窓辺はいつも同じ場所とかぎるもの」

〈♪鳥になって〉


あの話の後に聴くともう「アイドルとファンの世界」を描いているとしか思えなくて泣けてくる。

そもそも「好きになった人に好きになってもらえる」なんて奇跡みたいなものなのかもしれない。

でもそれが恋だろう。

そんな「奇跡」に「全力で挑んでいく」からこそ恋は「バカみたい」だし「かっこいい」のだ。




【君は天然色】

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ところで僕は最近「大瀧詠一さん」が気になっている。

なんだかんだ考えながら、彼の超名盤「A LONG VACATION」を聴き返していた。