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山田玲司のヤングサンデー 第161号 2017/11/13

植物の恋愛とニコ生のゆくえ

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イチョウの木に「銀杏」という実が成る季節になると、上野公園はなんとも言えない「臭い」が漂う。


腐りかけの銀杏の実が放つ「独特の臭い」は、決していい香りではないのだけれど、これもまた「季節の風物詩」で、僕は嫌いじゃない。

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ところが、同じ東京のイチョウの街路樹でも「臭わない」場所もある。

青山とか原宿なんかの「お洒落な街路樹」では、銀杏が落ちていない。あるのかもしれないけど、少なくとも「僕の記憶」には「銀杏臭い外苑前」の記憶はない。


イチョウには「実の成る」メスの木と、「実の成らない」オスの木があるので、原宿などではあらかじめ「実が成らないオスの木」だけを植えているらしいのだ。


オスの木は「どこかにいるであろうメスの木」に向けて、ただただ「花粉」を飛ばすだけの恋をしている存在だ。


迷惑がられる「花粉」ではあるけど、「銀杏の臭い」よりはマシだということらしい。

なので青山付近のお洒落タウンに植えられる事を許可された銀杏は「オス」ばかりだと聞いた。


つまり、神宮外苑付近のお洒落な道は「女を夢見る男たちの木」が延々と並ぶ「男子校の応援団」みたいな道だというわけだ。



クリスマスなんかには、その道を「大量の恋人たち」が通りゆく。


おお・・


なんとも残酷なお洒落タウン。

お洒落タウンが「ソロ男子」に嫌われるのは「イチョウの怨念」のせいなのかもしれない。



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ところで、この植物の恋愛。

なにもこんな残酷な「男と女のしくみ」を植物にまで持ち込まなくてもいいじゃないか、なんて思うけど、これもまた「自然」が持つ「合理性」がある。



生き物に「オスとメス」があるのは、「強い個体」かつ「多様な個体」を残して「子孫を繁栄させる」ためだ。


同じような形と同じようなスペックの子孫を量産してしまうと、強い生き物や、ウイルス、環境の変化に対応できないで全滅してしまう。


なので、メスの木が欲しいのは「自分と違う環境」で「自分と違う経験」をしている「ちょっと違った個体の遺伝子(花粉)」だ。


この話。何もかもが「人の恋愛」を思い起こさせる。