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山田玲司のヤングサンデー 第120号 2017/1/30
「勉強しなさい」と「モテなさい」───────────────────────────────────
お陰様で新作の漫画「CICADA」の発売のイベントが東京と大阪で決まりまして、いよいよ盛り上がってきております。
東京は2月11日、大阪は18日です。両日ともサイン会もやりますので、よろしくお願いしますね。
https://twitter.com/maron_rikiya/status/824557533146730497
https://twitter.com/standardbook/status/824569384173723649
まあそれは嬉しい話なんですが、ここの所ずっと考えていた事がありまして。
それは「恋愛の話」に対する若い世代の人達の「拒否反応」の問題です。
ニコ生なんかで「恋愛しようよ」みたいな話になると、とたんに「そういうのもういいんでw」みたいな空気を感じます。
うちのファミリーさんは真面目でいい人が多いので(オフ会なんかで会った実感)「非礼」で「攻撃的」なコメントはめったに流れないんだけど「そういう(恋愛)話はやだな」という感じは伝わってくるんです。
実際に彼女がいない人が昔より増えた感じがします。しかも、そんな彼らが寂しくて死にかけているか?と言えば、それなりに楽しそうなのです。
そんなこんなで「恋愛はオワコンだ」なんて思ってしまいそうになるけど、どうも終わったのは「恋愛をアトラクションみたいにお金をかけて楽しむ」という「恋愛産業」だけのような気もします。
なぜなら、相変わらず「恋愛」をテーマにしたコンテンツは人気だし、ワンピースのような「男女兼用のファンタジー」では恋愛要素は邪魔になるかもしれないけれど、まだまだ恋愛要素の仕込まれたコンテンツは多い。
そもそも男はキャラの女の子に「恋」をして楽しみ、女もキャラの男に「恋」をして楽しむのが、日本の「アニメ文化」の伝統なわけです。
そんなわけで、日本の若者は「恋愛が嫌い」どころか、本音では「ステキな相手が現れるのを死ぬほど待っている」という、「人間としてまともな状態」だと思うのね。
〜「そんな事わかってるし!」問題〜
「もっと恋愛しろよ」なんて年長者は平気で言います。
僕も気をつけないと「良かれと思って」つい「いいから恋をしろ」なんて言ってしまいます。
特に先週の放送の恋愛相談みたいな時とかは「恋愛しろ」と言ってしまうんです。
でもこの言葉。相手によっては「余計なお世話」でもあるんですよね。
「勉強しなさい」と「恋愛しなさい」ってのはどこか似ています。
どっちも結果を求められる世界です。
「勉強しなさい」には「成績を上げていい大学に入りなさい」って話だし、「恋愛しなさい」ってのは「モテなさい」という無茶な要求も含まれている。
そもそも「モテなさい」ってのも「賢くなりなさい」ってのも無茶な要求です。
若い時代はとにかく「見た目」で最初の「モテ度」が決まってしまうし、深く考えずに暗記できる人の方が成績が上がるのが学校の勉強だったりしますから「スタート地点」が明らかに「不公平」にセッティングされています。
「見た目は磨けるはずよっ!」なんて言われるけれど、化粧も服も自由に出来ない学生時代に「お前はないな」と異性に言われたりするわけで、よほどの自己肯定力がなければ「それでも外見磨き頑張る!」なんて思えないでしょう。
そんな風に「生まれつきもっているもの」で決められるのに、この国はすぐに「自己責任」みたいなことを言う。
「モテないのは本人が悪いんだ」って言い方も、想像力に欠ける言い方です。
勉強にしても、意味なく暗記なんか出来ないタイプの人には「結果」の出ない拷問です。
「最近は暗記よりも自分で考えて答えを出すタイプの出題が主流ですから大丈夫ですよ」なんて話も随分前から聞くけど、漢字やら英語のスペルやらを覚えるのが苦手な僕には「自分の思索で判断してもらえるテスト」まで行く前に「県下一のバカ高校」に放り込まれたので、どうにもならなかったし、そういう人は今もいると思うのです。
そんな問題は「東大卒」だの「女優と結婚」だのの前には「負け犬の遠吠え」扱いです。
多くの人が勉強でも恋愛でも「結果出したいし、出さなきゃいけない」と思っているのに、母親みたいな人が「勉強しなさい」「恋愛しなさい」みたいに言ってくるんだから「うるせえよ!」となるのもわかるんです。つまりニコ生なんかで僕らが言ってる「恋愛しろ」は、うるさいママの「勉強しなさい」と同じに聞こえるんでしょうね。ホントーにすまなかった。
でね。
そもそもこの件は全てが「自分の責任」ではないんです。
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