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山田玲司のヤングサンデー 第105号 2016/10/10

親の嫌がることをやる

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へいへいへーーーい。
最近なんか文章が固いって言われたので、今週から「コミッカーズ」に書いてた頃みたいに砕けた感じで書いてみるぜ!

なんかこう「砕ける感じ」を出そうとしたとたんに、書いてみるぜ!とか、昔の少年漫画の主人公みたいになるのが悲しいね。

まあいいか。
去年から今年の頭にかけて新書みたいなのをずっと書いてたんで、文章が「である調」になりがちなんだよね。
なんだろうね、この「である」っての。なんかとたんに「なんでも知ってる感」が出るんで困るよね。
まあいいか。

そんなわけで、2回のヤンサン主題歌決定戦が最高に盛り上がったよ、ありがとう。

僕が振った「レディー・ガガのバッド・ロマンスみたいなやつね」という無茶な要求にもかかわらず、なんと応募総数23曲!

しかもこれ「優勝賞金も参加賞も何もなし」だからね。

つまりあの恐ろしくハイレベルな応募曲を作ってくれたみんなは、例外なしに「タダでもやる!」という最高にいかした連中だったわけだ。

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モチベーションは報酬額とは比例しない

「人は給料を上げたら上げた分だけ頑張るか?」という社会実験をすると、必ずしも「報酬を上げれば上げるほど頑張るわけではない」という結果が出るらしい。

「レンガを1個運ぶと10円貰える」という条件を「レンガを1個運ぶと1000円貰える」と変えたらそりゃあ1000円貰える方がみんな頑張る。
そういった単純労働に関してなら「労働意欲は報酬に比例する」のは確かだろう。

ところが「素晴らしい建物を作って欲しい」とか「感動する作品を作って欲しい」みたいな仕事では、報酬を10倍にしたら、その結果10倍いいものができるわけじゃない。

「労働時間の中の数%は自分の好きなことをしていい」と言って好きなことをやらせているのは確かGoogleだったと思う。会社の収益や自己報酬などに関係なく「やりたいこと」をやらせてもらえる時間があるのだ。
彼らはその成果を社員みんなに発表する。
その中から新しい事業が生まれることの方がはるかに多いらしい。Gmailなどもそんな「やりたいこと時間」の中から生まれたって話。

それは誰だって「お金は欲しい」に決まっている。
「そんなもんいらない」と言える人は、お金に困る状況にない人か、人の気を引きたいだけの淋しがりやだろう。

苦労して作った自分の曲が高く売れれば嬉しいに決まってる。
でも「自分の曲」みたいに「大事すぎるモノ」に値段をつけられると、萎えるのが人間。
僕も正直、自分の絵に値段をつけられるのはあまり好きじゃない。
だってその曲や絵は自分自身だったりするわけで、それが10万円で売れた、とかなった時「俺の価値はたった10万か?」なんてことを思いかねない。

今回の「無報酬でもやりたいんだ」という人たちの応募曲は、Googleの「やりたいからやる」と同じで、金や義務のためじゃないからこそ「純粋なパワー」に溢れてた。
その行為が「金銭報酬のため」ではない時、人間本来の力が生まれるんだよね。

つくづく「人間なんか金次第だ」なんて、単純には言えない。最高だよ。

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それは「誰の人生」?

そんな最高の夜のあとに、若い女性社員が過労死したという話を聞いた。