昨年は戦後70年という区切りの年で戦争と平和を考える作品を中心に、一年間6回の映画DVD鑑賞を行いました。今年は旧ソ連の作品を中心に開催します。
そのトップは『石の花』です。第二次世界大戦後、日本で最初に公開されたカラー作品です。1946年製作のソ連初の長編カラー映画で、日本公開は1947年でした。まだ、日本中に戦争の傷跡が生々しく残っていました。その焼け野原だったころ、映画館の中でこの『石の花』を観賞した観客は、映像の美しさに声もありませんでした。現在のCGやFSXにも匹敵するような映像の世界は、とても70年以上前のものとは思われません。そのすばらしさは実際に上映会でごらんになってください。
すばらしいのは映像だけでなく、その話の面白さにもあります。民話をもとに、子供から大人まで楽しめる内容になっています。今ここで種明かしをしてしまうと、観る楽しさが減ってしまいますので、内容には触れません。ただ、映画の中に出てくる数々のシーンはとても興味深いものがあります。一つだけ、紹介しましょう。「ペチカ」をご存知ですか?満州にいた陸軍部隊の兵舎では必ず設置されていました。もちろん、これはロシアの一般家庭に普及していました。その「ペチカ」は家庭の中心になるのです。暖房だけでなく、調理にも使われました。そして、風邪を引いた時には石の「ペチカ」の上に布団を敷き、寝ていたのです。そのシーンが出てきます。さあ、この後は映画を見てのお楽しみ。日曜の午後、家族そろって楽しめる映画鑑賞懇親会にします。ぜひ、ご参加ください。
【映画情報】1946年・ソ連作品/監督:アレクサンドル・プトゥシコ/脚本:パーヴェル・バジョフ/イワン・ケッレル/撮影:フョードル・プロヴォロフ/音楽:レフ・シュワルツ/出演:ウラジーミル・ドルージニコフ、タマーラ・マカーロワ、エカテリーナ・デレフシチコーワ、ミハイル・ヤンシン他
◆ 日時:2016年2月28日(日)14:00~
◆ 場所:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
◆ 会費:一般500円、会員300円(茶菓子代、資料ほか実費)
◆ 参加お申し込み:NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会事務局
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp
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神奈川県日本ユーラシア協会機関誌『日本とユーラシア』2016年1月号電子版をご覧下さい。
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