わさお通信:特別増刊

【わさお通信:特別増刊】長毛秋田犬 他

2015/11/30 23:00 投稿

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巻頭言 :長毛秋田犬

11月15日、日曜日。
青森市内にて「第1回秋田犬長毛犬わさお大賞コンテスト」が開催されました。わさおと関わっていると、しばしばこの「長毛」という言葉に遭遇します。今回はその辺りをテーマにしてみたいと思います。

もぐ・むく・長毛

長毛とは先天的に毛足が長い特質を表す言葉です。長毛は秋田犬に限らず他犬種においても見られます。例えば私は秋田犬の長毛よりも珍しいと言われるシェパードの長毛を見たことが有ります。長毛のことを英語では Long hair や Long coat と呼ぶみたいです。秋田犬の長毛については北東北では「もぐ」と言い、標準語発音では「むく」とも言うようです。

秋田犬の歴史

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コメント

吟さん、あまり楽しい話題ではないけど大事なこと、記事にしてくれてありがとうございます。
長毛の「淘汰」の問題は、昔の話ではなくて、現代の犬の繁殖を商売にする「ブリーディング」や血統書至上主義にも通じるものですよね。見た目を追及するあまり、理想の容姿ではない子を捨てたり命を奪ったりするブリーダーの話、多数の生育不良の犬が動物愛護団体に保護されるニュース、良く聞きますよね。理想的な子犬を産んだ親犬に何度も繁殖を繰り返して、異常出産が増えたり母犬の寿命を縮めてしまったり…。
それって結局自分の販売する犬の価値を上げて、少しでも多く儲けたいが為に行われてることじゃないですか。「秋田犬の血統を守るため」なんて、建前としか思えないです。保存会は、以前から暴力団が絡んでいて、展覧会の順位を巡って出陳者が審査員を殴った、なんていう事件が何度もありました。自分の買ってる犬の価値を上げたいからです。
そんなこともあって、今でも本部展などで各地から犬を連れた人たちが集まってくると「怖いし関わりたくない」と、会場に近づきたがらない人もいるんです。自分は何度も見に行っていて、もめごとや怖い思いをしたことはありませんが、そういう流れがあって保存会がだいぶ改革されてきたからこそ、ごく一般の出陳者や海外からの視察が増えたんだと思っています。
以前、ペットショップを経営していた人から話を聞いたことがありますが、どうしても売れ残る動物はいるそうで、高いお金を払って仕入れたのに引き取り手がなければ処分するしかなくて、それが嫌で店をやめたと言ってました。命ある生きものを<商品>として商売すること、高く売るために邪魔な命を奪うこと、それが事実上容認されているんですよね、悲しいことに…。
例の新聞連載の第3部に出てきた東大農学部の正木教授の話が全てだと思います。「他の犬種との違いを強調するブリーディングは、人間社会のブランド化を好む欲求が形をとったもので、人間の文明の驕慢ともいいえます」「それぞれの純系は急速に遺伝学的、生物学的に脆弱化していくはず。そのため、色々な心身の欠陥が表に現れる一匹一匹の犬は不幸です。樺太犬の血が先祖返りしたのなら健全なことで、笑えば済むことではないでしょうか。そんなことで淘汰される犬に何の罪があるのですか」
「淘汰」ってつまり「殺害」じゃないですか。こんなことを秋田犬の保存を理由に正当化していいんでしょうか?子孫を残したくないなら、不要な繁殖・交配を止めればいいんです。でも、純血を求めれば遺伝病の子が増える。そのうち正常な寿命を全うできる秋田犬はいなくなってしまうんじゃないでしょうか。秋田犬を絶やさないためにも、理想の容姿じゃない子も認めてあげたらいいと思うんです。
吟さんの仰っていた「レイシズムに通じる」という視点、鋭い!と思いました。秋田犬は闘犬としてだけでなく、軍用犬としても品種改良されていて、時代に翻弄されてきた犬種でもあります。きなくさい時代には、差別意識と優越感、選民思想といったものが戦意高揚に利用されてきましたよね。つい先日、ナチスのホロコーストの根底には、当時のドイツの医療関係者に「優生思想」というものがあって、同じドイツ民族の障害者や精神病者をガス室送りにしていた、それをナチスが利用してユダヤ人虐殺が始まった、という歴史検証番組を見たばかりだったので、ハッとさせられました。
世の中に恐怖や疑心暗鬼が広まると、一番最初にその標的にされるのは社会弱者だという指摘がありました。人間に限らず動物も、罪のない弱いものが時代に翻弄され、虐げられることのないように、自分がしっかりしないといけないな、と思いました。
色々考えさせられ、気付かされることの多い特別増刊、ありがとうございました。今度も記事楽しみにしています。
長々とすみませんでした。ご迷惑になりそうでしたらコメント非公開でお願いします。

No.2 109ヶ月前
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