◆1 パラドゲーの宿命と HoI の悩み
Paradox Interactive 製のいわゆる“パラドゲー”は、「勝利条件を自分で定義する」のが醍醐味です。征服に走るも良し、文化保護に勤しむも良し。唯一ハッキリしているのは「滅んだら負け」――国家消滅は誰であれ等しくゲームオーバーになる、という一点のみ。しかし HoI マルチでは、工業力トップを争う方式だと小国は踏み台にされるだけ、陣営勝利方式だと分業ガチ勢しか楽しめない、というジレンマがありました。
◆2 二段構造ルール誕生の背景
「大国は大国らしく世界を焼き、小国は小国らしく生き残りを賭けて暗躍する」。このドラマ性を両立させるため、勝利条件を《大国固定》《小国自由》の二層構造にしました。概念図でいえば、米・独・ソの三巨頭が中央で殴り合い、その衝撃波の中をその他諸国がジグザグに駆け抜けるイメージです。
◆3 勝利条件
【A】イデオロギー三大国(米・独・ソ)
- ドイツ :ファシズムの旗の下、世界征服
- アメリカ:民主主義陣営による世界征服
- ソ連 :共産主義陣営による世界征服
【B】その他の国家
- プレイ開始前に「国家目標」を1つ宣言
- それをゲーム終了時までに達成=勝利
- 目標はスクリーンショットで提出
- 「大英帝国は全植民地を完全維持したまま欧州戦争を生き抜く」
- 「カナダは IC(工業力)100を突破しつつ、本土無被占を維持」
- 「メキシコは中米全域を併合し、原油輸出量で世界一になる」
◆4 敗北条件
言わずもがな“国家滅亡”。首都が落ちても亡命政府を成立させれば継続可ですが、完全併合され次第リタイアとなります。
◆5 秘密外交フェーズ
年に一度、ゲームを一時停止し「十分間の闇市場タイム」を設置します。各国は Discord の限定チャンネルで、①手書きスクショ(あるいは画像メモ)を貼り付け、②合意内容を短文で確認し合う、というアナログ方式を採用。これにより、「口約束の空中分解」や「ログ追跡でのメタ推理」を防止し、いい意味での疑心暗鬼をキープします。取引内容は軍事通行権から技術供与、背信同盟まで何でもアリ。ただし SS が残る以上、裏切ると晒し首になる覚悟はしておいてください。
◆6 ルールの精神と注意点
- 歴史改変は推奨――「あの国がこう動いたら世界はこう狂う」を存分にやりましょう。
- 弱小国でも主役になれる――決めるのは“目標の質”。奇策で爪痕を残せ!
このルールは「世界規模のバトルロワイヤルを背景に、各プレイヤーが自国の物語を完走させる」ことを目指しています。大国はイデオロギーを掲げて火を放ち、小国はその火事場でしぶとく生き延びる――その混沌こそ HoI マルチの醍醐味。派手に、そして生々しく。演者も視聴者も巻き込みながら、前代未聞の歴史大改変を楽しみましょう。
それでは諸君、準備が整い次第、再び戦雲の立ちこめる世界でお会いしましょう。ご武運を!
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