マル激!メールマガジン 2015年4月15日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )
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マル激トーク・オン・ディマンド 第731回(2015年4月11日)
われわれはどこから来たのか - 生命宇宙起源説を考える
ゲスト:松井孝典氏(千葉工業大学惑星探査研究センター所長)
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地球上の生命体の起源が宇宙にあるという説があるのをご存じだろうか。これはパンスペルミア説と呼ばれるもので、地球上の生命は独自に地球上で生まれ、その後進化を遂げてきたものではなく、その起源は隕石やチリなどに付着して宇宙から運ばれてきた生命体にあるとの仮説に基づき、さまざまな研究が行われている。
そして今、このパンスペルミア説が現在の宇宙科学の中の、とりわけアストロバイオロジーと呼ばれる分野の研究では、非常に有力な仮説になりつつある。NASA(アメリカ航空宇宙局)のチーフサイエンティストがこの4月7日、10年以内に地球外生命体の有力な兆候がつかめるとの見通しを示すなど、今やNASAの宇宙研究プログラムの最大の目標が地球外生命体の存在を証明することにあると言っても過言ではない。
アストロバイオロジーの第一人者で、世界的な権威でもある松井孝典氏(東大名誉教授・千葉工業大学惑星探査研究センター所長)は、そんなパンスペルミア説を提唱する科学者の一人だ。そもそも地球上でランダムにタンパク質の合成が進んだ結果、今日のような生命体が偶然組成される可能性は、数学的には10の4万乗分の1程度の確率しかない。地球の誕生から46億年しか経っていないことを考えると、その限られた時間内に10の4万乗分の1の確率でしか起こりえない組み合わせが偶然実現すると考えるには無理がある。
今日、アストロバイオロジーの世界では、かつての常識や定説が次々と否定されている。約6550万年前に恐竜が絶滅したのは地球の気候変動や火山活動によるものとされていたが、今日それは巨大隕石が地球に衝突したことに引き起こされた気候や生態系激変が原因であるということが、世界中の研究者の間ではすでにコンセンサスとなっている。生命の起源をめぐる議論についても、自然発生説、化学進化説、斉一説と変遷を繰り返しているが、一般社会では必ずしもそれが広く認識されていない。どうやらわれわれ人類は相当強い思い込みに基づいて宇宙や世界や生命を理解してしまう癖からなかなか抜けられないようだ。
生命はどのようにして始まったのか。そして、それはどこから来たものなのか。もし宇宙に「われわれは独り」ではないのであれば、今、われわれが地球規模で抱える諸問題にはどのような意味が出てくるのか。アストロバイオロジーの第一人者の松井孝典氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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今週の論点
・生命は地球外に起源する――パンスペルミア説とは
・生命の起源をめぐる諸説の歴史
・「赤い雨」の解明に向かって
・宇宙という広い視点から、「人間原理」を考える
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松井孝典氏:われわれはどこから来たのか- 生命宇宙起源説を考える
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