内閣総理大臣の記者会見の開催の知らせを受けたのは金曜日(3月15日)のことだった。

予定していた講演会に遅れる旨を伝える。その夕、キャピタル東急ホテルでのインタビューを二件済ませると、議員会館横の長い坂を歩いてそのまま首相官邸に入った。

「本日、TPP、環太平洋パートナーシップ協定に向けた交渉に参加する決断をいたしました。その旨、交渉参加国に通知をいたします」

予想通り、この日、安倍首相はTPP交渉に参加することを宣言したのだ。

ようやくである。

すでに交渉開始から2年が経過している。当初の9か国の時に交渉に参加していれば、交渉の主導権を握れたかもしれない。あるいは少なくとも昨年12月に参加していれば、より有利な交渉に入れたかもしれない。

その点で残念である。