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『週刊新潮』のいい加減な記事に反論。『WiLL』電撃移籍の真実。|ちょっと右よりですが・・・

2016/03/25 10:21 投稿

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  • 花田紀凱
  • 月刊WiLL



(転載はじめ)

■花田紀凱WiLL編集長のメディアあら探しメディアうらばなし■

http://bylines.news.yahoo.co.jp/hanadakazuyoshi/20160324-00055812/


▼『週刊新潮』のいい加減な記事に反論。『WiLL』電撃移籍の真実。


『週刊新潮』(3月31日号)のワイド特集で

『WiLL』集団移籍の件が取り上げられた。

入社3年目という若い記者が日曜夜、トツゼン自宅に来た。


きちんと説明したつもりだが、〈にわかに信じ難い説明〉と書かれ、

ワック関係者なる人物のデタラメな話を長々と書き連ねている。


〈「社長が年齢も考慮して花田さんに

『一線を退いて編集主幹の肩書では』と打診したところ、

あくまで現場にこだわる彼が怒り出してしまった結果、こうなったのです」〉


これなど全く逆の話だ。


「このまま黙っていたら、南京大虐殺と同じことになる。

きちんと発信した方がいい」


大先輩にこうアドバイスされたのでこの際、

この移籍劇の真実を書いておくことにする。


始まりは2015年8月26日。

ワック(『WiLL』の版元)の鈴木隆一社長が、

突然こんなことを言い出した。


「ハナダさんが私のストレスになっているので、

ハナダチルドレン、部員と一緒に

どこか別の出版社で『WiLL』をやって下さい。

なんならMさん(広告担当)も連れて出て下さい」


ハッキリとは言わなかったが、

自分が病気になったのもハナダストレスのせいだ

ということまでニオわせた。


青天の霹靂とはこういうことを言うのだろう。

しかし、突然、そんなことを言われたので、

何かが原因で鈴木社長の気持ちが高ぶって

そんなことを口にしたのだろうと思い、本気にはしないで放っておいた。


というのも2014年11月頃から、鈴木社長の物忘れがひどくなり、

アポイントの時間を忘れたり、相手を思い出せないことが頻発、

秘書役の女性社員たちも困っていた。


同時に気持ちの揺れが激しく、

判断がおかしいと思われるケースが何度もあったからだ。


それでなくとも以前から、鈴木社長が突然、

キレて大声で社員を怒鳴りつけるなんてことはしょっ中だった。

出版部長のMさんなど、若い部員のいる前で「オマエ」呼ばわりで、

怒鳴りつけられ、Mさんもよく我慢しているなとハラハラして見ていた。

周りの全員が朝からイヤーな気持ちになったものだ。


こんなことがあった。


2014年の秋、営業の手が足りないというので、

当時営業部長だったSさんが知人のK女史という

中年女性をつれてきて、鈴木社長は彼女を入社させた。


たしかに能力はあったのだろう。鈴木社長はK女史をいたく気に入り、

毎晩のように食事に連れ歩き、休日にはゴルフにも同行させていた。


これについて鈴木社長は後に

「Sとも2人で食事に行っている」と弁明していたが当時、

社内ではK女史に対する社長の執心ぶりは誰の目にも明らかだった。


若い部員たちに「4度目の結婚があるかもしれない」

とほのめかしていたと後に聞いた。


営業部長のSさんが、ある日、大阪に出張した。

するとSさんがいない間に、K女史を部長席に座らせ、

Sさんは部員と並ぶ席に変えられた。

Sさんは知人のK女史を連れてきたばかりに、

K女史にその地位を奪われたことになった。


出張から戻って、自分とK女史の席が

変わっていることを知った時の

Sさんの驚いた表情を今も忘れられない。


そして、ある日、入社してまだ2ヵ月ほどのK女史を専務とした。

むろん誰にも相談などしない。鈴木社長の独断である。

K女史がいかに優秀かは鈴木社長から散々聞かされた。

しばらくして営業部長だったSさんは退社した。

そりゃそうだろう。あんな仕打ちを受けたら、

まともな神経の人物なら会社にいられまい。


それから間もない2014年11月鈴木社長の病気が発見された。

12月初め慶應病院に入院。手術すると声帯を失う恐れがあるということで、

手術せずに治療することになった。


その頃から、鈴木社長の猜疑心が異常に強くなり、

K女史との間で何があったのかは知らないが、自宅を調べさせたりした。

その手先となったのが営業部のMで、

MはわざわざK女史の自宅の表札の写真まで撮ってきた

(後にぼく自身が鈴木社長からその写真を見せられた)。


それから間もなく、K女史は解雇された。いきなりクビである。

K女史から「どうしたらいいか」と相談を受け、

一度、外で話を聞いたが、ぼくにはどうする術もなかった。


それでも一度、鈴木社長に言ったことがある。

あれだけ能力をかっていたK女史を何で突然クビにするのか。

「社員の誰もが社長との関係を疑ってましたよ」


そう言うと鈴木社長は、彼女は自分が独身だと嘘をついていた、

若い女性社員をリードして反乱しようとしている、

連判状を書かせているなどとK女史を批難した。


その後も鈴木社長の言動はどんどんおかしくなっていく。


ぼくと鈴木社長は毎週、

月曜の一時に打ち合わせをすることになっていた。

その打ち合わせで、ぼくは何度か鈴木社長にこう言っていた。


「鈴木さんにもし万一のことがあれば、

私は雑誌の編集こそできるが、経営能力は全くない。

立林(昭彦『歴史通』編集長)クンもないでしょう。

そうなったら会社がおかしくなり、

三十人近くいる社員たちは露頭に迷うことになる。


今、鈴木さんがやるべきことは、誰か鈴木さんの信頼できる人物で、

経営のことがわかる人を顧問でもいいし、

役員でもいいから入れておくことじゃないですか。

一度、引退した人でもいいじゃないですか。

鈴木さんが信頼できる人物で、そういう人がいるでしょう」


鈴木社長はそれについては一度も答えなかった。

むろん行動に移しもしない。


あとで考えればこういう事が鈴木社長の言う

「ストレス」だったのかもしれない。


その頃、鈴木社長はしきりに銀行関係者を社に呼んで

帳簿をチェックさせたりしていた。

経理担当者の話によると会社の評価などをさせていたようだが、

ぼくには何の相談もなかったので詳細は知らない。


11月初め、鈴木社長はまた8月26日と同じことをぼくに言った。


今年中に行き先を決めて、部員ともども出て行ってくれ。

来年4月までに『WiLL』編集部は他社に移行してくれ。


そこまで言われては考えざるを得ない。

結局、旧知の飛鳥新社、

土井尚道社長が引き受けてくれることになった。


11月7日、飛鳥新社という名前は伏せたが、

鈴木社長に某出版社が引き受けてくれることになったと伝えた。

すると、突然、鈴木社長がこう言い出した。


「ハナダさんも、相手の社長もビジネス感覚がないね。

私は何もタダで『WiLL』を譲るなんて言ってないよ」


「エッ? だって鈴木さんは編集部員を連れて出てってくれと言ったでしょ」


「タダなんて言ってない!」


押し問答の末、


「じゃ、いくらで売るんですか」


「5億円だ! ビタ一文まけられない」


この出版大不況下で、5億円も出す出版社があるわけがない。

そう言っても、鈴木社長はがんとして5億円を言い張っていた。


この頃から鈴木社長の言動はますますおかしくなっていく。

何か話をしていて、反論すると、すぐにキレて怒鳴り出す。


これはぼくとの話だけでなく社員が何人も怒鳴りつけられ、

それは狭い社長室かから外にも聞こえた。


前に言ったことをすぐに忘れる。こう言ったでしょ、

と言うと「そんなことは聞いてない!」と激高する。

言った言わないの水掛け論になるばかりで、

鈴木社長との話し合いは実に消耗した。


この間の鈴木社長の社員に対する

呆れた言動については次回に詳しく書く。


『週刊新潮』では〈にわかに信じがたい説明だが〉として、

こう書いている。


〈「社長が年齢も考慮して花田さんに

『一線を退いて編集主幹の肩書では』と打診したところ、

あくまで現場にこだわる彼が怒り出してしまった結果、こうなったのです。

なぜか彼はWiLLを編集部ごと貰えると思い違いし、

飛鳥新社と交渉を進めてしまった」〉


これがまったくいい加減な話だということは、

おわかりいただけただろう。


以上がこの1年半、

ワックという小さな会社で起こったことである。


前段でも書いたことだが、ぼくは今でも鈴木社長には恩義を感じている。

編集者として最後の舞台をつくってくれたのは鈴木社長だからだ。


この11年、お互いよく頑張ってきたと思う。

彼が営業(広告)、ぼくが編集の分業で、

11年かかって『WiLL』はここまで来た。

出版界でも一応の存在感を示すまでになった。


たまたま鈴木社長が病気になったことは不運だったというしかない。

しかし、ぼくより多少、若いとはいえ、

鈴木社長もそれなりの齢なのだから、

もう少し覚悟をもって身を処してほしかった。


ぼくがこの話をした時、ある著名な女性評論家はひと言、こう言っていた。


「ハナダさん、人間って弱いものね」


この言葉に尽きる。


書き足りなかった事は次回。


(転載おわり)

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