5月29日、朝日新聞に田母神俊雄さんと水島総さんの政治資金をめぐる対立の記事が初めて載った。
〈安倍政権の安定で、保守系の世界は我が世の春――。と思いきや、ちょっと状況が違うようだ〉とちょっと嬉しそうなリードのついた記事。
〈中国や韓国、公明党、朝日新聞やリベラル勢力を斬りまくり、講演、執筆活動を続ける田母神俊雄・元航空幕僚長(66)。だが23日に出演したインターネット配信の番組では、少し様子が違った。今回の攻撃対象は、行動派の保守系言論人として知られる水島総氏(65)――〉
都知事選、衆院選で集めた政治資金をめぐる二人の争いを報じたものだが、記事の内容についてはここでは置く。
「23日に出演したインターネット番組」というのが実はぼくが毎週土曜日1時半からニコニコ動画で放送している「ちょっと右寄りですが――週刊誌欠席裁判」なのだ。
朝日はなぜ番組名を出さないのか。後でも見ようと思えば見られるのだから、読者に対して不親切だろう。
週刊誌のスクープを新聞が後追いする時、「一部週刊誌によると」と書くのも全く同じで、読者がその週刊誌を読もうと思っても、まずその週刊誌を特定しなくてはならない。読者に一手間余計な負担をかけているわけだ。
実は放送中、部屋の椅子に知らない男がひとり、断りもなしに座っていた。いったい何者かと思っていたら、それが朝日の「秋山惣一郎」という記者だったらしい。今回記事の署名で初めて知った。
ふつうなら事前に断るべきだし、番組開始前であわただしかったというのなら、番組終了後にひと言あってしかるべきだろう。名刺を出すとか。
黙って他人の番組に入り込み、勝手に取材して記事にする、それが朝日流の取材なのか。
花田紀凱
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